昼下がり、私はふとカップ麺の袋を手に取った。
ヒカキン監修の「辛みそきん 濃厚辛味噌ラーメン」。
コンビニの棚で目にした瞬間、少し心が弾んだ。
今日の昼食は、これで決まりだ。
袋を開けると、麺の上に何か小さな影が混ざっているのが見えた。
目を凝らす。虫だった。
指先でそっと麺を触る。冷たく、小さな感触が伝わる。
息が止まった。
思わず心の中で毒づく。
「安全面? これが?」
「注意義務? どこ行った?」
日常の安心を一瞬でかき乱された。
手元の麺が、現実の重さと不快感を教えてくれる。
深呼吸をひとつ。
冷静になろうとする自分と、怒りで手が震える自分がいる。
電話をかけるべきか迷う。
だが、頭の片隅で思う。「いや、発見できたんだから、記録に残すだけでも価値がある」
電話口の声は、想像通り淡々としていた。
謝罪の言葉は少なく、再発防止の説明もろくにない。
「SNSに晒すのは自由」との一言に、また苛立ちが胸を突く。
笑うしかない。
これも現代の小さなドラマなのか、と。
私は紙とスマホを手に取り、状況を整理する。
目の前には、明らかに異物が混ざったカップ麺。
電話の向こうは、責任を軽くするだけの説明。
それだけで、こんなにも不快感が増幅されるのか。
再び電話をかける。
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