「当選しました」
その文字を見た瞬間、私は一瞬だけ息を止めた。
ポストから取り出した白いハガキ。
差出人はNHK。
表面を見た時点で、心当たりはあった。
少し前、勢いで応募した。
「おかあさんといっしょ」の収録観覧。
子どもが毎朝、テレビの前で踊っている。
歌が始まれば、まだ眠そうな顔のまま立ち上がる。
お気に入りの曲になると、なぜか私の手まで引っ張ってくる。
そんな姿を見て、私は思った。
もし本物を見せられたら、一生の思い出になるかもしれない。
軽い気持ちだった。
当たるわけない。
そう思っていた。
だからハガキを開いた瞬間、胸が跳ねた。
「おかあさんといっしょ 当選しました」
まさか。
本当に?
私は台所で声を上げそうになった。
子どもに見せたら、きっと大喜びする。
あの歌のお兄さん、お姉さんに会える。
あのセットの中に入れる。
人生で一度あるかないかの体験だ。
私はハガキを両手で持ち、しばらくにやけた。
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