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「480円のレシートに“ブス”と手書きされた私」店員に笑ってごまかされた瞬間、証拠を残して責任者を呼んだ結果、店内の空気が一変した
2026/06/03

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その日、私はただ、娘に焼きそばを買っただけだった。

休日のショッピングモールは、人でごった返していた。

フードコートには油の匂いと、子どもの泣き声と、呼び出しベルの音が混ざっていた。

娘は私の手を引っ張りながら言った。

「お腹すいた。焼きそば食べたい」

私は疲れていた。

買い物袋は重いし、足も痛い。

それでも、娘が嬉しそうにメニューを指さす顔を見ると、まあいいか、と思った。

列に並び、注文した。

「お子様焼きそばを一つお願いします」

店員は無表情だった。

目も合わせない。

レジを打ち、レシートを無造作に渡してきた。

私はそのとき、何も気にしなかった。

娘に水を取って、席を探して、焼きそばを冷ましながら食べさせた。

娘は「おいしい」と笑った。

それだけで十分だった。

問題に気づいたのは、家に帰ってからだった。

財布の中を整理していたとき、あのレシートが出てきた。

何気なく見た瞬間、指が止まった。

印字された金額の上に、鉛筆のような字で何かが書かれていた。

私は目を細めた。

そして、背中がぞわっとした。

そこには、はっきりと「ブス」と書かれていた。

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最初は、見間違いだと思った。

でも、何度見てもそう読める。

レシートの店名。

日時。

商品名。

その上に、雑に書かれた二文字。

まるで、私たちを値札の横に分類するみたいに。

一瞬、頭が真っ白になった。

誰が書いたのか。

いつ書いたのか。

私が受け取ったときには、もう書かれていたのか。

それとも途中で誰かが触ったのか。

考えれば考えるほど、胸の奥が冷たくなった。

娘は隣でテレビを見て笑っている。

その笑い声を聞いた瞬間、怒りが遅れて来た。

私だけなら、まだ飲み込めたかもしれない。

でも、娘が一緒だった。

子ども向けの焼きそばを買っただけの親子に、なぜこんな言葉を投げられなければならないのか。

翌日、私は店に電話した。

声は震えていた。

でも、できるだけ冷静に話した。

「昨日そちらで買い物をした者です。レシートに侮辱的な言葉が書かれていました」

電話口の店員は、最初だけ丁寧だった。

「何かの見間違いではないでしょうか」

その一言で、私の中の何かが小さく切れた。

見間違い?

私は写真を送ると言った。

数分後、電話口の空気が変わった。

「少々お待ちください」

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保留音が流れた。

やけに明るい音楽だった。

こっちは全然明るくない。

しばらくして、別の男性が出た。

責任者だと言った。

「これは確かに、不適切な記載に見えます」

見えます、じゃない。

書いてある。

私はそう言いたかったが、黙って聞いた。

責任者は続けた。

「従業員に確認いたします」

その返事にも、少し引っかかった。

確認?

つまり、誰かが書いた可能性はあるということだ。

私はレシートを机の上に置き、じっと見た。

たった二文字。

でも、紙一枚で人の気分はここまで壊れる。

しかも金額は四百八十円。

安い昼食のはずだった。

なのに、後味だけは高級コース並みに重かった。

数時間後、店から連絡が来た。

責任者の声は明らかに低くなっていた。

「従業員の一人が、業務中に不要な書き込みをした可能性が高いことが分かりました」

可能性が高い。

またその言い方。

私は深呼吸した。

「その言葉を、客に渡すレシートに書いたんですよね?」

沈黙。

その沈黙が答えだった。

どうやら店員同士のふざけ合いか、客を見ての悪口か、どちらにしても最低な理由だったらしい。

しかも、それを消しもせず、確認もせず、私に渡した。

私は笑ってしまった。

怒りすぎると、人は意外と笑う。

四百八十円の焼きそばに、無料で人格否定がついてくる店。

そんなサービス、頼んでいない。

責任者は返金と謝罪を申し出た。

私は返金は断った。

焼きそばは娘が食べた。

おいしいと言っていた。

そこまで汚したくなかった。

ただ、私は一つだけお願いした。

「同じことを、次の親子にしないでください」

電話の向こうで、責任者が小さく謝った。

その声が本気だったかどうかは分からない。

でも少なくとも、私は泣き寝入りはしなかった。

レシートは今も手元にある。

見るたびに嫌な気持ちにはなる。

けれど同時に思う。

人を雑に扱う人ほど、自分の雑さを証拠として残す。

悪口を書くなら、せめて渡す前に確認する知能くらい持ってほしい。

もっとも、それができないから、レシートに本性まで印字してしまうのだろう。

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