郵便受けを開けた瞬間、白い封筒が一枚、ぺたりと入っていた。
企業名の入った、やけにきちんとした封筒だった。
私は一瞬、身構えた。
税金か。
請求書か。
それとも、また何かの重要書類か。
最近は何でも値上がりしている。
牛乳も高い。
卵も高い。
ガソリンなんて、見るたびに心が削られる。
そんな時代に届く「大事なお知らせ」は、だいたい財布に優しくない。
私はため息をつきながら封を切った。
中から出てきたのは、折り目のついた一枚の紙。
タイトルにはこうあった。
「配当金振込先ご確認のご案内」
配当金。
その三文字を見て、私は少しだけ背筋を伸ばした。
おお。
ついに私にも株主らしい瞬間が来たか。
一株だけ持っている、ほぼ記念品みたいな株。
でも株主は株主だ。
紙を広げ、目を凝らした。
第23期。
期間。
ご所有株式数、一株。
そして、配当金額。
そこに印字されていた数字を見た瞬間、私は固まった。
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