私、基本的に店員さんに強く言うタイプじゃない。
「すみません、確認お願いできますか?」って、なるべく柔らかく言う。
でもこの日だけは、カードを差し込む直前に表示された数字を見て、思わず目が止まった。
「9,592円」
え。
私が持ってきたの、売り場で見た時は確かに4,796円だった。
倍。いや、ほぼ倍。
一瞬、私が別商品を持ってきたのかと思って、ラベルも品番も確認した。合ってる。
だから私は、なるべく落ち着いた声で言った。
「すみません、これ、売り場では4,796円だったんですが……レジの表示が9,592円になってます」
するとレジの方、こちらを見もせずに即答。
「レジは間違えません」
……間違えない?
いやいや、今まさに目の前で違う数字出てるんですが。
心の中でツッコミつつも、私は一回深呼吸して、言い方を変えた。
「では、売り場の値札と商品、いま一緒に確認できますか?」
すると、レジの方は少し面倒そうに、売り場担当を呼ぶと言った。
数分後、担当者が来て、私は商品を持って売り場へ一緒に移動した。
そして、棚の前に着いた瞬間。
値札:4,796円。
ほらね。
私は勝った顔をしたいわけじゃない。
ただ、事実として「値札とレジが一致してない」だけ。
だから私は、淡々と伝えた。
「こちら、4,796円の表示ですね。さっきの9,592円は、どこでそうなったんでしょう?」
担当者は一瞬黙った。
ここで普通は、「失礼しました、確認します」になると思うじゃないですか。
でも、この日の相手は違った。
担当者、棚の奥の在庫スペースを指して、さらっと言った。
「あ、ここに9,592円の在庫を置いてるので。
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