病院ってさ。
命を助ける場所のはずなのに、たまに「人間性を試すステージ」になる。
母が突然倒れて、緊急手術。
医者が淡々と言った。
「手術費、150万円。今日中に一括でお願いします」
……え?今日中?一括?
頭が真っ白になって、私はその場でスマホの残高を開いた。
85万円。
半分にも届かない。
兄に電話した。震える声で。
返ってきたのは、ため息混じりの一言。
「無理。ローンあるし」
その瞬間、私は理解した。
“助けて”って言っても、誰も私の代わりに立ってはくれない。
病院の会計窓口に走って、事情を説明した。
でも窓口の女性は、ニヤッとした顔で言った。
「へぇ〜…足りないんですか。大変ですねぇ。
でも“規則”なんで。払えないなら、手続き進められませんよ?」
その言い方。
人が崩れるのを見て楽しんでるみたいな、あの感じ。
私は喉の奥が熱くなった。
でも母は今、手術室に入るところだった。
怒鳴ってる場合じゃない。
私はその場でカードローンを開いて、申請した。
70万円。秒で承認。
承認通知が出た瞬間、嬉しくなくて、吐き気がした。
“命の入場券”が、借金で買えるってことが、ただ悔しかった。
母の手術は成功した。
でも、地獄はそこからだった。
月々の返済。
利息。
家賃、水道、交通費、食費、保険。
全部引いたら、私の生活は「生き延びるだけ」になった。
母が目を覚ました時、最初に言ったのは、
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