午前2時。
眠れなくて、ただ指が勝手にスマホを滑らせた。
そこで、見た。
「20歳大学生、深夜バイク事故で死亡」
――それ、私の息子だった。
記事を開いた瞬間、コメント欄が先に目に飛び込んできた。
読まなきゃよかった。
本当に、読まなきゃよかった。
「親が悪い」
「バイクなんて乗らせるから」
「大学生で?家庭環境お察し」
「母親、今どんな気持ち?」
…まだ、遺体に会ってもいないのに。
私はその日、葬儀社と電話をしながら、
役所に行く時間を調整しながら、
同時に“全国民からの説教”を受けていた。
誰も、私の名前なんて知らない。
でも、みんな“母親の資格”だけは勝手に審査してくる。
数時間後、知らないアカウントからDMが来た。
「あなたのせいで人が死んだ」
「ちゃんと謝れ」
「子どもが可哀想」
――私は、誰に謝ればいいの?
息子を愛したこと?
信じて送り出したこと?
彼の人生を、彼に任せたこと?
学校から電話が来た。
職場からも来た。
「事情をお聞きしたくて」
「最近、何か問題はありませんでしたか?」
その言い方が、何より刺さった。
まるで、私が“加害者”みたいだった。
悔しくて、悔しくて、
でもその時は、泣く気力もなかった。
数日後。
私は一つ、決めた。
黙らない。
息子の部屋を開けた。
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