最初は、同僚のイタズラかと思った。
でも、紙をよく見ると
笑えなくなった。
9:01 出社(1分遅刻)
9:07 給湯室
(何しに行ったの?)
12:02 昼休憩
(昼休憩長い気がする)
12:58 着席
(時間内に戻ってくるの珍しいね)
そして最後に、
「追記:最近無断外出多い。12:30頃」
……気持ち悪い。
誰かが
私の一日を観察していた。
犯人は、ほぼ確信していた。
あの上司だ。
いつも細かいことを指摘してくる人。
会議室に呼び出して説教するのが趣味みたいな人。
しかもこの人、
夜中でも平気で電話してくる。
正直、会社でも有名な
**「面倒な人」**だった。
その日、案の定
私は会議室に呼び出された。
「社会人として時間管理がなってない」
「1分でも遅刻は遅刻」
「勤務時間中に給湯室?」
延々と続く説教。
でも私は、途中から
違うことを考えていた。
この人。
私を監視する時間あるんだ。
そんなに暇なの?
だったら、ちょっと試してみよう。
私はその日から
あることを始めた。
上司の行動を
こっそり記録すること。
すると、驚くほど
すぐにメモは埋まった。
10:15 タバコ休憩
10:32 タバコ休憩
11:10 タバコ休憩
昼休憩のあとも
13:40 タバコ
14:05 タバコ
14:30 タバコ
……え?
1日何回行くの?
しかも会議と言って
30分くらい席で寝ている日もある。
そして翌日。
私は紙を1枚作った。
タイトルは同じ。
「あなたの今日の1日」
そして、上司の机に
そっと置いた。
そこにはこう書いた。
10:15 タバコ休憩
10:32 タバコ休憩
11:10 タバコ休憩
最後に一言。
「仕事してる時間、
少なくないですか?」
数分後。
上司の怒鳴り声が
オフィスに響いた。
「これ誰が書いた!!」
でも、その瞬間。
後ろから声がした。
「それ、ちょっと見せてもらえますか?」
振り返ると
人事部の人が立っていた。
その紙を見て
しばらく黙り込む人事。
そして一言。
「……上司さん、少し話しましょうか。」
その日から。
私の机に
監視メモが置かれることはなくなった。