バイクの免許を取っていた時の話です。
タンデム教習の日。
教官の後ろに乗るよう言われました。
私は胸だけは当たらないように少し浮かせていたんですが、
「危ないから!」
「横転したらどうする!」
と強い口調で怒られました。
私は思わず聞き返しました。
「胸まで密着させないと危ないんですか?」
教官は少し顔をしかめました。
「そうだよ。ちゃんと体をつけて」
でも納得できませんでした。
私はさらに聞きました。
「じゃあ男性も同じように教習してるんですか?」
教官
「……それは関係ないから」
私
「関係ありますよね?」
教官
「安全のためだから!」
私
「だったら教本のどこに書いてありますか?」
その瞬間。
教官の表情が変わりました。
さっきまで威圧的だった声が急に小さくなります。
教官
「いや……まあ……」
私
「安全なら根拠がありますよね?」
周囲の教習生たちもこちらを見始めました。
教官はしばらく黙り込んだ後、
「……じゃあ好きにして」
とだけ言いました。
結局、その日以降。
私は一度も密着するよう指示されませんでした。
あの時学んだのは運転技術だけじゃありません。
違和感を覚えたら、
相手が教官でも先生でも、
きちんと理由を聞いていいということでした。
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