「キャンセルしただけで、7,000円取られていた。」
意味が分からなかった。
出発の17時間前。
そこまで直前でもないタイミングでキャンセルしただけなのに、
画面には当たり前のように7,000円と表示されている。
一度、見間違いかと思った。
もう一度確認する。
やっぱり同じ。
「……なんで?」
規約を開く。
スクロールする。
細かい文字を追う。
それっぽいことは書いてある。
でも、“この条件でいくらになるのか”は、はっきりしない。
——これ、普通に分かる?
正直、納得できなかった。
でも、そのまま感情でぶつかっても意味がないのは分かっていた。
だから、そのまま問い合わせた。
「すみません、キャンセル料について確認させてください」
相手は慣れた口調だった。
「キャンセル料は規約に基づいて算出されております」
想像通りの答え。
ここで終わらせるつもりのトーン。
私は一度だけ息を整えた。
「17時間前のキャンセルで7,000円というのは、一般消費者が予測できる金額ではないと思うのですが」
一瞬、間が空く。
でもすぐに返ってきた。
「規約をご確認いただければ分かるかと」
被せるように続ける。
「事前に、具体的な割合や金額は明示されていましたか?」
少しだけ沈黙。
「……記載はございます」
「どの時点で、どの程度分かる形で提示されていましたか?」
ここで、相手の声がわずかに変わる。
探している。
説明できる場所を。
でも、はっきり言えない。
そして、次に出てきた言葉がそれだった。
「確認されなかったお客様の責任になります」
——は?
一瞬だけ、頭が真っ白になった。
でも、すぐに戻す。
感情で返したら終わる。
私は声を落として、ゆっくり言った。
「規約を確認しましたが、この条件で7,000円になると事前に明確に分かる形では提示されていませんでした」
相手は黙る。
そのまま続けた。
「一般消費者が予測できない金額である以上、事前に具体的な説明が必要だと思います」
一拍。
そして、はっきりと言う。
「それがされていないのであれば、重要事項の不告知に該当しますよね」
完全に、空気が変わった。
さっきまでの流れ作業のトーンが消える。
「……少々お待ちいただけますか」
保留音。
今までより明らかに長い。
戻ってきた声は、さっきと別人みたいだった。
「お待たせいたしました。上席と確認いたしますので、少々お時間いただけますでしょうか」
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください
引用元:,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]