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グリーン車で酔っ払い6人が宴会→車掌に注意を頼んだら「あなたが移動を」と言われた。迷惑なのはあいつらなのに…私が放った一言で車内の空気が一変した
2026/03/04

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新幹線のグリーン車に乗る理由は、ただ一つだ。静かだから。

普通車より高い料金を払ってでも、仕事をしたり、少し眠ったりできる落ち着いた空間を買っているつもりだった。

だが、その日――その静けさは、完全に壊されていた。

「おいおい!もう一本いくか!」

カンッ。

酒瓶がぶつかる音。

「ええやんええやん!今日は旅行や!」

ガハハハハ!

関西弁の大声が、車内に響き渡る。

グリーン車の静かな空間に、完全に場違いな宴会が始まっていた。

声の主は、60代くらいの男が6人。

座席を向かい合わせにして、テーブルには缶ビール、ハイボール、つまみ。

完全に居酒屋状態だった。

しかも声がでかい。

普通の会話の音量じゃない。

「ほんでな!あの部長がな!」

「アホちゃうか!」

「せやろ!」

ガハハハハ!

笑い声が、車両全体に響く。

さらに問題なのは、酒の匂いだった。

ビールと焼酎の混ざったような匂いが、車内に広がっている。

隣の席の女性は明らかに顔をしかめている。

前の席の男性も何度も振り返っている。

それでも――

誰も何も言わない。

理由は簡単だ。

相手が酔っ払い6人だから。

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私はしばらく我慢した。

でも、10分、20分と経っても宴会は終わらない。

むしろ盛り上がっている。

「おい次!乾杯や!」

カンッ!

また瓶がぶつかる。

笑い声。

テーブルを叩く音。

さすがに限界だった。

私は席を立った。

車両の後ろにいる車掌を探す。

そして声をかけた。

「すみません」

車掌はすぐに振り向いた。

「はい、どうされましたか?」

私は小声で言った。

「向こうの席で、飲んで騒いでいる人たちがいて……かなりうるさいんです。注意していただけませんか?」

車掌は一瞬、そちらの方向を見た。

6人の宴会。

「おーいもう一本!」

「まだ飲めるやろ!」

笑い声。

そして私の顔を見て、深く頭を下げた。

「誠に申し訳ございません」

そして続けた。

「すぐに、お客様の席を別の車両にご案内いたします」

私は一瞬、意味が分からなかった。

「……え?」

「グリーン8号車に空席がございますので、そちらにご案内します」

私は思わず聞いた。

「えっと……移動するのは、私ですか?

車掌は申し訳なさそうに頷いた。

「はい……」

少し声を落として言った。

「正直申し上げますと……

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あちらは6名様で、すでにかなりお酒が入っておりまして……

ちらっと後ろを見る。

「注意しても、状況が悪化する可能性が高いんです」

なるほど。

つまりこういうことだ。

6人の酔っ払いを相手にするより、1人を移動させた方が早い。

それが現実的な判断。

私は少し苦笑した。

理不尽だけど、理解はできる。

車掌も困っている顔をしていた。

「本当に申し訳ございません」

もう一度、深く頭を下げる。

私はため息をついた。

そして言った。

「……分かりました」

荷物を持ち、車掌の案内で8号車へ移動する。

通路を歩くとき、あの宴会の横を通った。

「おっ、どこ行くん?」

一人が言った。

私は答えなかった。

後ろでは、まだ笑い声。

「ははは!静かな人やな!」

ドアが閉まる。

8号車。

そこは、驚くほど静かだった。

パソコンのキーボード音。

新聞をめくる音。

小さな咳。

それだけ。

さっきまでいた車両が、まるで別世界のようだった。

席に座る。

静寂。

私は思った。

グリーン車って、本来こういう場所だよな。

しばらくすると、車掌がやってきた。

「ご不便をおかけして申し訳ありません」

再び頭を下げる。

私は笑って言った。

「大丈夫です」

そして小さく付け加えた。

「でも、ちょっと不思議ですよね」

車掌は首を傾げる。

「はい?」

私は言った。

「騒いでいる人はそのままで、迷惑している人が移動するんですね」

車掌は少し困った顔をした。

そして静かに言った。

「……正直に申し上げますと」

「酔っている方が複数いらっしゃる場合、注意しても聞いていただけないことが多いんです」

「それどころか、トラブルになる可能性もありまして」

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私は頷いた。

確かに、6人の酔っ払い。

車掌は1人。

揉めたら、もっと大事になる。

結局この国では――

理屈が通じる側が、譲る。

それが一番早い解決方法なのだ。

窓の外を見る。

新幹線は静かに走っている。

さっきの宴会の笑い声は、もう聞こえない。

静かなグリーン車。

ようやく、本来の空間に戻った。

ただ一つ、思った。

もしあの6人が――

ここに移動してきたらどうしよう。

その想像だけで、私は少し笑ってしまった。

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