通勤途中、歩道の端に段ボール箱が置かれているのが見えた。
朝の光の中で、それだけが妙に目立っていた。
宅配の置き配にしては場所がおかしい。
ゴミにしては、テープで丁寧に閉じられている。
私は少し足を止めた。
箱の上には紙が貼ってあった。
「市役所連絡済」
「カラス死体」
その文字を見た瞬間、ぎょっとした。
思わず一歩下がった。
朝から見るには、なかなか強い情報量だった。
でも、すぐに思い直した。
これは捨てたのではない。
誰かが、死んでいたカラスを見つけて、そのまま放置しないように箱へ入れたのだ。
そして市役所にも連絡している。
つまり、かなりちゃんとしている。
むしろ配慮の塊だった。
もしそのまま歩道にカラスが倒れていたら、もっと驚く。
子どもが触るかもしれない。
犬が近づくかもしれない。
自転車で通った人が気づかず避け損ねるかもしれない。
車道にあれば、車に踏まれてもっとひどい状態になる可能性もある。
それを考えたら、段ボールに入れて、見える場所に表示して、市役所へ連絡しておく。
かなり現実的な対応だと思う。
それなのに、こういうものを見るとすぐに「気持ち悪い」とか「なんで置いてあるの」と言う人がいる。
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