母は一人暮らしをしている。
年を取ってからの一人暮らしは、本人が思っている以上に危なっかしい。
こちらが電話をしても、「大丈夫、大丈夫」と笑う。
でも、その“大丈夫”ほど信用できない言葉はない。
薬の飲み忘れ。
足元のふらつき。
洗濯物ひとつ干すにも、こちらはつい心配になる。
母は要介護三だ。
できることはある。
でも、できないことも確実に増えた。
そして一番難しいのは、本人の気持ちだった。
手伝われすぎると落ち込む。
放っておくと危ない。
「まだ自分でやれる」と思いたい母と、「転ばないでくれ」と願う私。
その間で、私はいつも悩んでいた。
そんな母の家に、ヘルパーさんが来てくれる日がある。
正直、最初は少し不安だった。
母は相性にうるさい。
嫌なことは顔に出る。
気を使いすぎる人も苦手。
逆に、雑に扱われるのはもっと嫌がる。
だから、どんな人が来るのか、私のほうが緊張していた。
でも、そのヘルパーさんは違った。
母が何かをしようとする時、すぐに奪わない。
「危ないから私がやります」と先回りしすぎない。
かといって、放置もしない。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください