学校帰り、喉がからからだった。
部活のあとで、汗は引いているのに口の中だけが妙に乾いている。
財布の中には小銭が少し。
コンビニで高い飲み物を買うほどではない。
でも、家まで我慢するほど大人でもない。
私は駅近くの小さな店に寄った。
冷蔵ケースの光が、やけにまぶしかった。
中には缶コーヒー、炭酸水、ジュース、エナジードリンク。
そして、その上の段に、見慣れた缶が並んでいた。
「よわない檸檬堂」
アルコール度数ゼロ。
つまり、ノンアルコール。
名前は少し大人っぽいけれど、酔わない。
私はそれを見て、ちょっと笑った。
今日はこれでいいか。
酸っぱくて、冷たくて、なんとなく気分だけ大人。
そんな軽い気持ちだった。
ところが、缶に手を伸ばしかけた瞬間、冷蔵ケースの扉に貼られた紙が目に入った。
赤い枠。
手書きの文字。
そこには、はっきり書かれていた。
「当店では20歳未満の方へのノンアルコール飲料の販売はお断りしています。」
私は固まった。
ノンアルコール。
なのに、二十歳未満お断り。
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