関空からの帰り、関空快速に乗ったときのことだ。
夕方。車内はそこそこ混んでいた。
私はスーツケースを引きながら、空いている席を探していた。
正直、かなり疲れていた。
長時間の移動、重い荷物、立ちっぱなしの足。
「座れるだけでいい」
それだけだった。
でも、次の瞬間。
その期待は、一瞬で消えた。
4人がけのボックス席。
そこが、まるごと“占領”されていた。
人じゃない。
スーツケースだ。
しかも一つじゃない。
大きなキャリーケースが、ドン、と席の上に置かれている。
さらに足元にも。
完全に「席」じゃなくて「荷物置き場」になっていた。
その横に座っていたのは、外国人の女性。
スマホを耳に当てて、大きな声で通話している。
中国語だ。
周りの視線なんて、まったく気にしていない。
むしろ「ここは自分の場所」とでも言いたげな態度。
私は一瞬、固まった。
「え、これ……マジ?」
周りにも立っている人はいる。
スーツ姿の男性、子ども連れの母親、旅行帰りっぽい学生。
みんなチラチラ見てる。
でも、誰も何も言わない。
空気が重い。
「関わりたくない」っていう、あの独特の空気。
わかる。
わかるけど。
いや、これ普通にアウトだろ。
頭の中で言葉がぐるぐる回る。
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