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「1000万円のミスで終わったと思った日」帰宅後に見た出欠ハガキが謎ポエムすぎて、絶望していた私のメンタルを変な方向に救った話
2026/06/15

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仕事で一千万円のミスをした。

数字を見た瞬間、胃が落ちた。

画面には、ありえない金額が並んでいた。

桁が違う。

確認したはずだった。

二回見たはずだった。

でも、違っていた。

たった一つの入力ミス。

たった一つの確認漏れ。

それだけで、会社の空気が一気に冷えた。

上司の顔から表情が消えた。

隣の席の先輩も、キーボードを打つ手を止めた。

私は声が出なかった。

「すみません」

それしか言えなかった。

何度も言った。

でも、その言葉で一千万円が戻るわけではない。

会議室に呼ばれ、状況を説明した。

経緯。

原因。

再発防止。

全部、自分の口で話した。

喉が乾いて、手が震えた。

上司は怒鳴らなかった。

それが逆に怖かった。

「まずは処理を確認しよう」

その静かな声が、胸に刺さった。

怒られた方がまだ楽だったかもしれない。

帰り道、私はずっと下を向いて歩いた。

電車の音も、人の声も、全部遠かった。

頭の中では、同じ数字だけが回っている。

一千万。

一千万。

一千万。

家に着いても、何もする気になれなかった。

ご飯もいらない。

風呂も面倒。

スマホを見るのも怖い。

布団に倒れ込んだが、眠れるわけがない。

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明日、会社に行きたくない。

このまま地球が少しだけ私を見逃してくれないかな。

そんな逃げ方まで考えていた。

その時、机の上に置いた一枚の返信ハガキが目に入った。

少し前に送った招待状の返事だった。

友人から届いていたものだ。

開く気力もなかったが、現実逃避のつもりで手に取った。

そして、見た瞬間、私は固まった。

普通の返信ハガキではなかった。

出席か欠席かを選ぶ欄。

アレルギーの確認。

送迎バスの利用。

本来なら、きれいに丸をつけて返すだけの紙。

なのに、そこには大きな字でこう書かれていた。

「誰も端っこで泣かないようにと、君は地球を丸くしたんだろ?」

私は一瞬、意味が分からなかった。

いや、今も分からない。

でも、妙に壮大だった。

地球を丸くした理由を、返信ハガキの住所欄で語らないでほしい。

次に、メッセージ欄を見た。

「行きます!!!!」

勢いだけはすごい。

出席の意思が強すぎる。

そして、アレルギー欄にはなぜか「犬」に丸がついていた。

食物アレルギーの欄である。

えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生。

その横に、犬。

犬を食べる予定はない。

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会場で犬は出ない。

何を警戒しているんだ。

私はそこで、少しだけ笑ってしまった。

一千万のミスをした夜に、犬アレルギーの出席ハガキ。

人生の落差がひどい。

さらに端には、小さな文字で何か叫んでいるような書き込みまであった。

真面目な紙面が、完全に友人の精神世界に侵食されている。

私はハガキを持ったまま、しばらく笑った。

笑ったあと、少し泣きそうになった。

たぶん、張りつめていたものが切れたのだと思う。

仕事のミスは消えない。

明日も処理は続く。

謝罪も必要だ。

報告書も書く。

たぶん、しばらく胃は痛い。

でも、この一枚を見て思った。

世界は、私のミスだけでできているわけじゃない。

一千万の数字に押し潰されそうな夜でも、誰かは返信ハガキに地球の形について書いてくる。

誰かは、食物アレルギー欄に犬をねじ込んでくる。

人間、思ったより意味不明だ。

そして、その意味不明さに救われることがある。

翌日、私は会社に行った。

もちろん足取りは重かった。

でも、前日よりは少しだけ呼吸ができた。

上司に状況を報告し、処理の確認を進めた。

怒られるところは怒られた。

直すところは直した。

逃げずに一つずつ片づけた。

昼休み、スマホに保存したハガキの写真を見て、また少し笑った。

隣の先輩に見せると、先輩は吹き出した。

「犬アレルギーって何?」

「私も知りません」

「でも、元気出るな」

本当にそうだった。

仕事で一千万のミスをして、このハガキ。

普通なら最悪の日で終わるはずだった。

でも、なぜか少しだけ救われた。

友人にメッセージを送った。

「返信ハガキ、意味分からなすぎて助かった」

すぐ返事が来た。

「地球は丸いから大丈夫」

やっぱり意味は分からなかった。

でも、その雑な励ましが、今の私にはちょうどよかった。

一千万のミスは重い。

でも、地球は丸い。

そして私は今日も、とりあえず会社に行く。

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