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『君はクビだからねw』と笑われた翌月、鬼電100件→最大顧客が離脱して会社が崩壊した話
2026/04/29

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海外出張から戻った翌朝だった。

時差ぼけのままオフィスに入り、自分の席に座った瞬間、違和感があった。

机の上に、書類が山積みになっていた。

しかも、誰も触れていない。

胸の奥で、嫌な予感がした。

その直後だった。

「おーい、社長室来て」

呼び出されて向かうと、二代目社長が椅子にふんぞり返っていた。

そして、にやにやしながら言った。

「君はクビだからねw」

ああ、来たか。

そう思った。

理由も曖昧だった。

「海外行っても成果が見えない」
「雰囲気が暗くなる」

正直、笑いそうになった。

だが、私は何も言わなかった。

「承知しました」

それだけ言って頭を下げた。

社長は一瞬、表情が止まった。

たぶん、泣きつかれると思っていたのだろう。

でも、私は知っていた。

この会社が、誰で回っているか。

そして、どこが止まるかも。

その日、引き継ぎ資料をまとめて提出した。

案件の進行状況、注意点、顧客対応。

全部、整理した。

だが社長はそれを見て、鼻で笑った。

「余計なことするな」

その一言で、確信に変わった。

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――この人、何も分かってない。

私はそれ以上何も言わず、退職した。

そして翌月。

スマホが鳴り始めた。

会社からだった。

最初は無視した。

だが、止まらない。

一日数件。

一週間で30件。

最終的に、100件を超えた。

いわゆる鬼電だった。

留守電には焦りが混ざっていた。

「おい、至急折り返せ!」
「案件が止まってる!」
「顧客が怒ってる!」

……当たり前だ。

止めたのは、そっちだ。

私は一度も出なかった。

返信もしない。

理由は単純だった。

もう、私の仕事じゃない。

タダで責任だけ背負う理由がない。

その後、噂が入ってきた。

海外案件の資料が理解できず、
そのまま顧客に「分からない」と送ったらしい。

当然、信用は落ちた。

さらに納期調整も失敗。

違約金寸前。

経理処理も止まり、現場は混乱。

社員は疲弊し、辞める人も出た。

そして決定打。

最大顧客が離れた。

「担当変えたのは御社ですよね」

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それだけだったらしい。

その後、会社からの連絡は止まった。

完全に。

代わりに一度だけ、知らない番号から着信があった。

たぶん弁護士か何かだろう。

私は出なかった。

全部記録だけ残して、終わらせた。

その頃、私は新しい会社で働いていた。

評価は明確。
判断は早い。

そして何より、

人を軽く扱う空気がなかった。

クビを言い渡されたあの日、
私は思っていた。

――これは終わりじゃない。

解放だ。

あの社長は最後まで気づかなかったはずだ。

人を切って笑った瞬間、

会社の“心臓”を、自分で抜いたことに。

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