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満車で2台分占有「ぶつけられたくないだけ」→左右から詰められ逆ギレした結果…完全に詰んだ件
2026/03/17

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満車の駐車場で、それは目立ちすぎていた。

ずらっと並ぶ車の中で、
1台だけ、堂々と白線をまたいで停めている軽自動車。

完全に2台分を使っている。

「うわ……これか」

思わず声が漏れた。

周りを見ても、空いているように見えるのに、
実際にはどこも停められない。

原因は、この1台。

本来ならあと2台停められるはずのスペースが、
完全に潰されている。

近くにいた男性も苦笑いしながら言った。

「これ、ひどいですね」

私はうなずいた。

「満車でこれやられると、さすがに困りますよね」

しかし――

誰も何もしない。

文句を言う人もいない。

ただ、遠巻きに見ているだけ。

その時だった。

1台の車が、ゆっくりと左側に入ってきた。

そして――

ギリギリまで寄せて駐車した。

「え、そこ行く?」

思わず見入る。

ドアがほぼ開かないレベルの距離。

そして間髪入れず、今度は右側にも別の車が入ってきた。

同じように、ギリギリまで寄せる。

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――完全に挟んだ。

その瞬間、空気が変わった。

誰かが小さく笑った。

「これは……詰んだな」

私は思わず苦笑した。

正直、やりすぎかもしれない。

でも――

どこかスッとする自分もいた。

しばらくして。

その軽自動車の持ち主が戻ってきた。

40代くらいの男性だった。

最初は何も気づかず、普通に近づく。

そして、立ち止まった。

「……は?」

状況を理解するのに、数秒かかったようだった。

左右の車との距離は、ほぼゼロ。

ドアを開ける余裕は、まったくない。

男は左に回る。

開かない。

右に回る。

開かない。

その場で固まった。

「はぁ!?なんだこれ!?」

声が一気に大きくなる。

周囲の視線が集まる。

男はイライラした様子で周りを見回した。

「誰だよこんな停め方したの!」

すると、近くにいた男性が静かに言った。

「その前に、自分の停め方見たらどうですか」

一瞬、空気が凍る。

男はムッとした顔で言い返す。

「は?関係ねぇだろ!」

「俺がどう停めようが自由だろ!」

その言葉に、別の女性が口を開いた。

「自由じゃないですよ」

「ここ満車ですよね?」

「2台分使ってるの、分かってます?」

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男の表情が変わる。

「いや、だってぶつけられたら嫌だし」

開き直りだった。

しかしその瞬間、後ろから低い声が飛んだ。

「だったら駐車場来るなよ」

一気にざわつく。

男は言葉を詰まらせた。

「……っ」

さらに別の人が続ける。

「みんな同じ条件で停めてるんですよ」

「自分だけ特別扱いは無理でしょ」

完全に流れが変わった。

さっきまで黙っていた人たちが、

一斉に“こちら側”に回った。

男は周囲を見回す。

味方はいない。

完全に孤立していた。

「……チッ」

舌打ちを一つ。

だが、どうにもならない。

ドアは開かない。

車には乗れない。

その時、誰かがぽつりと呟いた。

「管理に連絡すれば?」

それを聞いた瞬間、男の顔がさらに歪んだ。

自分の駐車が原因だと、
完全に理解したのだろう。

しばらく沈黙した後、

男は小さく言った。

「……すみません」

その一言で、空気が少し緩んだ。

すると、左側の車の持ち主が鍵を鳴らした。

「分かればいいですよ」

少しだけ車を動かす。

続いて右側の車も下がる。

ようやく、ドアが開くスペースができた。

男は急いで車に乗り込んだ。

そして、そのまま無言で走り去った。

静けさが戻る。

誰かが軽く息を吐いた。

私はその場に立ちながら思った。

最初からルールを守っていれば、
こんなことにはならなかった。

そしてもう一つ。

誰かが動けば、空気は変わる。

満車の駐車場で起きた、小さな修羅場。

でもそこには、はっきりとした答えがあった。

非常識な自由は、通用しない。

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