ポストを開けた瞬間、嫌な予感がした。
いつものチラシに混じって、不動産会社の封筒が一通。
薄い紙なのに、妙に重く見えた。
私は玄関先でしばらく封筒を眺めた。
家賃の更新時期が近い。
何か来るとは思っていた。
でも、まさかここまで来るとは思っていなかった。
封を切ると、中から出てきたのは家賃改定のお知らせだった。
現行、賃料二十万円。
共益費一万円。
合計二十一万円。
そこまでは分かる。
ただ、その右側に書かれた「改定後」の数字を見た瞬間、思わず声が出た。
賃料二十三万四千円。
共益費一万円。
合計二十四万四千円。
「え、何これ」
紙を持つ手が止まった。
三万四千円の値上げ。
月額で、三万四千円。
一年なら四十万円以上。
軽い気持ちで「近隣相場を総合的に勘案しまして」などと書かれていたが、こちらの財布は総合的に破壊されるところだった。
しかも、うちはもともと十八万円で入居した部屋だ。
更新やら何やらで少しずつ上がり、今は二十万円。
それでも高いと思いながら払ってきた。
なのに次は二十三万四千円。
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