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「浴衣の裏に“自分の名字”が書いてあった…」野外イベントで迎えた1着が怖すぎて、私はすぐ購入元を調べた話
2026/07/01

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野外イベントで、その浴衣を見つけた時、最初はただ「きれいだな」と思った。

紺地に大きな花模様。

赤、白、水色。

派手すぎないのに、ちゃんと目を引く。

風に揺れる布の感じもよかった。

古着の浴衣が並ぶ中で、その一枚だけが妙に気になった。

何度も前を通り過ぎた。

一度は別の店も見た。

でも、結局また戻ってきた。

手に取ると、布は軽くて、思ったより状態もよかった。

「これ、着たい」

そう思った瞬間、もう買う理由は十分だった。

値段も手頃だった。

店員さんに声をかけ、袋に入れてもらった。

その時は、ただいい買い物をしたと思っていた。

まさかその浴衣が、あとで私をぞっとさせるとは思わなかった。

イベント当日、私はその浴衣を着た。

外は少し蒸し暑かった。

屋台の匂い。

人の声。

遠くから聞こえる音楽。

夏の空気が、肌にまとわりつく。

でも、不思議と嫌ではなかった。

浴衣を着ると、普段より背筋が伸びる。

歩幅も少し小さくなる。

袖の揺れが気になって、動作が丁寧になる。

私は鏡を見て、少しだけ嬉しくなった。

似合っているかどうかは分からない。

でも、その浴衣を選んだ自分は間違っていなかったと思った。

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友人にも褒められた。

「いい柄だね」

「それ、古着?」

「雰囲気ある」

私は笑って答えた。

「イベントで見つけたの。なんか気になって」

その時は、ただの偶然だと思っていた。

帰宅したのは夜遅くだった。

足は疲れていた。

髪も少し崩れていた。

帯を外した瞬間、やっと体が軽くなった。

浴衣を脱いで、床に広げる。

しわを伸ばす。

袖を整える。

畳み方を思い出しながら、ゆっくり畳んでいた。

その時だった。

内側の白い布の部分に、小さな文字が見えた。

最初は洗濯表示かと思った。

でも、違う。

手書きだった。

黒いペンのような、少しかすれた文字。

私は指で布をつまんで、顔を近づけた。

何か名前が書いてある。

古着なら、前の持ち主の名前が書いてあってもおかしくない。

学校の持ち物みたいに、家族の誰かが書いたのかもしれない。

そう思いながら、よく見た。

次の瞬間、息が止まった。

そこに書かれていたのは、私の名字だった。

頭の中が真っ白になった。

一度、目を離した。

見間違いだと思った。

疲れているのだ。

夜だし、照明も少し暗い。

似た文字をそう読んだだけ。

そう自分に言い聞かせた。

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でも、もう一度見ても同じだった。

私の名字。

普段、何度も書いてきた文字。

書類にも、荷物にも、予約名にも使う、あの名字。

他人の名前のはずなのに、どう見ても自分の名字だった。

背筋がすっと冷えた。

部屋の空気が、一瞬で変わった気がした。

古着の浴衣。

野外イベント。

偶然手に取った一枚。

何十枚も並んでいた中から選んだ一枚。

それを着て帰ってきて、畳んでいたら、内側に自分の名字。

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