1: 名も無き被検体774号+ 2011/01/31(月) 16:08:50.80 ID:wOZqre9+0
あ…ありのまま、今起こったことを話す。
『1年半ぶりに実家へ帰省した。
玄関を開けて、
「ただいまー!」
といつものように声をかけ、そのまま茶の間へ入った。
すると、そこにいたのは全員知らない人だった。
おばさんが一人。
二十歳くらいの女の子が一人。
小学生くらいの男の子が一人。
そして見知らぬ男が一人。
俺の顔を見るなり、
「キャーーー!!」
「誰!?泥棒!!」
と大騒ぎ。
俺のほうも頭が真っ白になった。
「え……?」
「ここ、○○市○○町○丁目ですよね?」
そう聞くと、
「そうだけど!?」
と言われた。
住所は合っている。
家も合っている。
玄関も間取りも、俺の知っている実家そのものだった。
でも、中にいる人間だけが全員知らない。
何が起きているのか理解できないまま立ち尽くしていると、男が携帯を取り出した。
「警察呼びます!」
俺は必死に説明した。
「いや、違うんです!
ここ俺の実家なんです!」
当然、誰も信じない。
数分後、警察が到着。
事情を聞かれた俺は免許証を見せ、
「本当にここが実家なんです。」
と説明した。
しかし警察官は困った顔で、
「でも、この家の住人はあなたを知らないと言っています。」
と言う。
結局、そのまま交番へ同行することになった。
取調室で何度も事情を説明したが、自分でも何を話しているのか分からなくなってきた。
住所は間違っていない。
家も間違っていない。
でも家族だけが全員他人。
俺の頭がおかしくなったのか。
それとも世界がおかしくなったのか。
数時間後、ようやく事情が判明した。
俺が実家だと思っていた家は、半年前に売却されていた。
両親は離婚し、父は再婚。
母も引っ越していた。
俺だけが海外赴任中で何も知らされていなかったらしい。
親父は電話番号も変え、
「そのうち連絡しようと思ってた。」
で済ませたらしい。
いや、済まねぇよ。
久々に帰省したら、実家も家族も全部なくなってるなんて誰が想像するんだよ。
警察にまで連れて行かれて、俺だけが完全に不審者扱い。
今でもあの日を思い出すと胃が痛くなる。
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