久しぶりに夫と義実家へ帰省した。私は夕飯の手伝いをするため台所に入った。
そこで目にしたのは、大量の乾燥ワカメを一切水戻しせず、そのまま調理しようとしている義母の姿だった。
私は慌てて声をかけた。
「お義母さん、ちょっと待ってください!そのまま乾燥ワカメを使うのはすごく危ないんです!」
義母は手を止め、不機嫌そうに振り返った。
「何が危ないの?私、何十年もこうやって料理してるけど、一度も問題なんてなかったわ。」
「乾燥ワカメはお腹の中で水分を吸って十倍に膨らむんです。そのまま大量に食べたら腸閉塞になる可能性があります。私、昔自分で食べてひどい目に遭ったことがあるから、心配で言ってるだけなんです。」
すると義母の表情が一気に険しくなった。
「あなた、今、私の料理を否定してるの?」
「否定してるわけじゃないです、ただリスクを……」
「いい!もういい!」
義母はワカメの袋をテーブルに叩きつけ、強い口調で言い放った。
「私はあなたよりずっと長く生きてるのよ!若い嫁に何を教わる必要があるの?全部知ってるわ!余計な口出ししないで!」
隣にいた夫もなだめるように私に言った。
「母さんは料理慣れてるから大丈夫だよ。君が気にしすぎ。」
私は何も言い返せなかった。ただ家族のことを心配しただけなのに、まるで義母を見下したみたいになってしまった。
その夜、義母は明らかに機嫌を悪くしたまま夕飯を作った。
テーブルに出されたのは、ふえるわかめちゃんを大量にそのまま混ぜたおにぎりだった。
私は不安を感じつつ一口、二口食べた瞬間、水戻ししていない硬いワカメが大量に入っていることに気づいた。
隣で夫がおにぎりを食べようとしたのを見て、私は咄嗟に夫の手を掴んで叫んだ。
「やめて!!食べるのストップ!!」
夫はびっくりして顔を上げた。
「え?何?急にどうしたの?」
「このおにぎり、乾燥ワカメをそのまま混ぜたでしょ!!味が薄いからってめちゃくちゃ大量に入れた!!これ、お腹の中で十倍に膨らむの!腸閉塞になるよ!本当に危ない!」
夫は私の手を振り払い、少しイライラしたように言った。
「大げさだな。全然普通だよ。母さんが作ったんだから大丈夫。君、ちょっと神経質になりすぎ。」
「大丈夫じゃないの!本当に膨らむんだって!」
「はいはい、わかったわかった。」
夫は完全に聞く耳を持たず、おにぎりを全部食べてしまった。
食後、喉が渇いたと言って、何杯もお茶を飲み干した。
私はただ絶望的な気持ちで二人を見守るしかなかった。
数時間後、ついに異変が起きた。
まず私の体に不調が出た。
お腹の中でワカメが膨らみ、消化できず腸が詰まって重苦しく、全身に猛烈な肌荒れが一気に出た。
次に義母が急にうずくまり、苦しそうに呟いた。
「おなか…すごく痛い…」
そのまま立てなくなり、床に崩れ落ちた。
夫も顔色を真っ青にし、お腹を押さえてうなっている。
「お腹痛い…張って苦しい…」
私はすぐに病院に連絡し、急いで三人で病院へ向かった。
医者に診てもらい、案の定、水戻ししていない乾燥ワカメが体内で水分を吸って膨張し、胃腸に大きな負担がかかっていると言われた。
帰り道、車の中はずっと静かだった。
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