あの日、私は初めてマキシムに足を踏み入れた。
新築のビルの一角、薄暗い廊下に入ると、独特な香りと静かな緊張感が漂っている。ノーマルなホテルとは空気が全く違った。足音がカツン、カツンと響く。心臓が少し早くなるのが分かる。
受付を済ませ、部屋の前に立った時、目に入ったのがあの注意書きだった。
「蝋燭プレー、排泄放尿プレー等について」
思わず二度見した。え、マジで?
下手なホラー映画よりも生々しいその文字。赤で強調された「宿泊費の2倍」「4倍」の文字が、静かな部屋でまるで叫んでいる。
私はゆっくり呼吸を整えた。
ここで何をどうしていいのか、頭の中はぐるぐる回る。
「蝋燭プレー? え、火事になるやつ…?」
「排泄放尿プレーって、マジで…トイレ以外?」
文字を読むだけで、全身に鳥肌が立つ。
部屋に入ると、暗めのライトが壁に影を作り、気分をさらに高める。
心臓はまだドキドキしている。
これは単なる遊びなのか、それとも常識の限界を試す試験なのか。
私は注意書きを再び見つめる。
「片付けは自己責任」
なるほど、ここでは全部自己責任だ。下手に何かやれば、宿泊費の何倍も吹っ飛ぶらしい。
その時、隣の部屋から小さな声が聞こえた。
どうやら私以外にも初めて来た客がいるらしい。
声のトーンから、あの注意書きを見てひるんでいる様子が丸分かりだ。
「おい…これ、マジでやばくない?」
心の中で私もそう思った。
でも、怖いけどどこかワクワクする。
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