我が家には車2台分ほどの駐車スペースがあります。
でも、我が家には車がありません。
ある日、お隣さんが外壁塗装をすることになり、塗装業者さんから
「工事期間中だけ駐車場をお借りできませんか?」
とお願いされました。
どうせ空いている場所です。
「もちろんです。自由に使ってください。」
私は何も考えずに返事をしました。
後日、お隣さんまで菓子折りを持って挨拶に来てくださり、
「本当にすみません。」
と何度も頭を下げます。
私は逆に申し訳なくなって、
「気にしないでください。うちは車がないので、本当に大丈夫ですよ。」
と笑って送り出しました。
約2週間後。
工事は無事に終了し、駐車場もきれいに掃除されていました。
「これで終わりだな。」
そう思っていた翌日、インターホンが鳴りました。
玄関には塗装業者さんが立っていました。
「先日は長い間、駐車場を貸していただき、本当に助かりました。」
そう言うと、一つの封筒を差し出してきたのです。
私は慌てました。
「いやいや、本当に結構です!」
何度断っても、
「どうか受け取ってください。」
と譲りません。
結局、ありがたく受け取ることにしました。
中を開けると、家族みんなで回転寿司に行けるくらいのお金が入っていました。
私は思わず笑ってしまいました。
「貸しただけなのに、こんなにいただいていいのかな。」
その日は家族で回転寿司へ。
子どもたちは大喜びでお寿司を頬張りながら、
「また優しいことしたら、お寿司食べられる?」
なんて笑っていました。
私はすぐに答えました。
「違うよ。見返りを期待して親切にするんじゃない。でも、世の中には、その親切をちゃんと返してくれる人もいるんだよ。」
あの日いただいた封筒以上にうれしかったのは、
「ありがとう」を形にして返してくれる人がいることを、子どもたちと一緒に知ることができたことでした。
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