「ピンポーン…」
電話が鳴った。
機械の声。
「三井住友フィナンシャルグループから未払いのお知らせです」
オペレーターにつなぐ場合は1を。
思わず1を押した。
男性の声。
「どのようなお問い合わせでしょうか?」
私は答えた。
「何か未払いがあるとか」
すると、男性は続けた。
「はい、お電話口はご本人様でお間違いないでしょうか」
「ご本人確認のために、お名前と生年月日をお願いいたします」
そこまでは普通に答えた。
次の瞬間。
「2025年11月10日に大阪で、吉岡恭子様名義のクレジットカードと口座が作られています」
え?
大阪なんて18歳の時に芝居を見に行ったっきり。
50年も行っていない。
心臓が跳ねた。
手が震える。
そんなもの作った覚えはない。
「出かけないといけないので、帰宅後お電話します」
私は言った。
「お電話番号を教えてください」
でも、男性は言葉を止めない。
「個人情報が使われており、再被害の可能性があります」
電話を切らせてくれない。
「では、今回の必要情報をお知らせいたします」
男性は淡々と、しかし確実に情報を並べる。
「担当:福田」
「ファイルナンバー763468」
「契約日2025年11月10日」
もっともらしい。
巧妙すぎる。
でも免許証は手元にある。
大阪に行ったのは遠い過去。
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