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「俺の仕事じゃない」と家出した旦那、財布711円で限界…3日後の日記が後悔だらけだった話
2026/05/13

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「少しくらい家事手伝ってよ」

その一言が、すべての始まりだった。

金曜の夜。

仕事から帰った俺は、テーブルに置かれた洗い物を見て、思わず舌打ちした。

「俺だって仕事で疲れてんだけど」

すると妻は、静かに言った。

「私も働いてるよ?」

その瞬間、なぜか無性にイラついた。

「じゃあ全部半分にしろって?」「ていうか家事って、そんな偉いわけ?」

今思えば、完全に八つ当たりだった。

でもその時の俺は、“自分だけ頑張ってる”と思い込んでいた。

妻はしばらく黙っていた。

それから、小さく笑った。

「そっか」

その笑い方が、妙に腹立たしかった。

俺は勢いのまま言った。

「少しくらい自分でやれよ」「俺の仕事じゃないから」

沈黙。

数秒後。

妻は、俺の顔を見たまま、静かに言った。

「……それ、私の仕事じゃないから」

俺がさっき言った言葉を、そのまま返された。

しかも笑顔で。

あの瞬間、なんか負けた気がして、俺はそのまま家を飛び出した。

財布とスマホだけ持って。

――でも、家出って、想像以上にキツかった。

とりあえずファミレスへ入る。

ドリンクバーだけ頼み、三時間粘った。

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周りを見る。

家族連れ。カップル。学生。

みんな普通に笑ってる。

なのに俺だけ、深夜のファミレスで、一人。

しかも財布の中、711円。

「……やば」

そこで初めて、勢いだけで家を出たことを後悔した。

仕方なく、ネカフェへ移動。

個室に入った瞬間、急に静かになった。

その時だった。

頭の中に、家の音が浮かんだ。

洗濯機。包丁の音。味噌汁の匂い。

いつも“勝手に存在してたもの”が、実は全部、妻が動いていた結果だったことに気づく。

でも今さら、連絡なんてできなかった。

俺が悪いから。

暇すぎて、ノートに日記を書き始めた。

「ママ、強すぎる」

自分で書いて、ちょっと笑った。

二日目。

空腹で目が覚める。

コンビニへ行こうとして、また財布を見る。

残金、ほぼ終わり。

しかも、情けないことに、真っ先に浮かんだのは――

「帰ったら飯あるんだよな」

だった。

その瞬間、スマホが震えた。

妻からだった。

身構える。

「帰ってくるなら鍵開けとく」

……とか、怒りのLINEを想像した。

でも画面には、一言だけ。

『生きてる?』

その下に、PayPay送金通知。

10000円。

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思わず声が出た。

「は……?」

意味が分からなかった。

普通、怒るだろ。

呆れるだろ。

なのに妻は、何も責めなかった。

ただ、金だけ送ってきた。

俺はスマホを見ながら、しばらく動けなかった。

その夜、ネカフェで一人、泣きそうになった。

三日目。

もう帰ろうと思った。

プライドとか、どうでもよくなっていた。

家に着く。

恐る恐る扉を開ける。

すると――

普通だった。

テレビの音。洗濯物。晩ごはんの匂い。

妻はキッチンに立ちながら、こっちを見た。

「おかえり」

それだけ。

怒鳴りもしない。

責めもしない。

俺は、何を言えばいいか分からなくなった。

しばらく沈黙して、やっと言った。

「……悪かった」

妻は少し笑った。

「うん」

それから味噌汁をよそいながら、さらっと言った。

「じゃあ今日からゴミ出しお願いね」

俺は、思わず吹き出した。

負けた。

完全に負けた。

でも不思議と、悔しくなかった。

むしろ、やっと“大人になれた”気がした。

家事って、誰かが勝手にやってくれるものじゃない。

誰かが、毎日、黙って支えてたものだった。

その“誰か”を、俺はずっと、当たり前みたいに扱っていたんだ。

財布711円の家出で、俺はやっとそれを知った。

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