この日、私は生後3ヶ月の娘を連れて、二人きりで実家へ向かっていました。
ベビーカーに、大きな荷物、赤ちゃんのお世話グッズ。
「大丈夫かな」「迷惑かけないかな」
家を出る前から、そんなことばかり考えていました。
しかも、新幹線に赤ちゃんを連れて乗るのは、ほとんど初めて。
夫もいない。
頼れるのは自分だけ。
乗る前からかなり早めにホームに着いて、すぐ降りられるように荷物の位置も考えて、できるだけ周りに迷惑をかけないように準備していました。
それでも車内に入った瞬間、なんとなく視線を感じたんです。
「赤ちゃん連れか……」
そんな空気を、勝手に感じてしまっただけかもしれません。
でも、当時の私はそれだけで十分に緊張してしまっていました。
実際、近くにいた乗客の中には、あまり歓迎していないような顔をする人もいました。
小さな声だったけれど、
「こんな小さい子、泣いたら大変だよね」
そんな言葉も耳に入ってしまって。
わかってる。
私だって、一番それを心配してる。
泣いたらどうしよう。
途中でぐずったらどうしよう。
降りる時に荷物でもたついたらどうしよう。
頭の中は、ずっとそんな“もしも”でいっぱいでした。
娘は私の不安が伝わったのか、伝わらなかったのか、席についてからも静かにしてくれていました。
それでも私は落ち着かなくて、まだ到着まで時間があるのに、早めに荷物をまとめたり、ベビーカーの位置を確認したりしていました。
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