「またかよ」
朝7時40分。
シャッターを上げた瞬間、目の前に白いミニバンが横付けされていました。
中には私の車。
完全に出せない。
その日は9時から取引先との打ち合わせ。
資料も車に積んである。
車なら30分。
電車だと乗り換え2回。
どう考えても間に合わない。
最初はまだ冷静でした。
「近所の人かな」
「すぐ戻ってくるかな」
そう思って10分待ちました。
でも誰も来ない。
15分待っても来ない。
近くを歩いて探しても、持ち主らしき人はいませんでした。
仕方なく警察に電話しました。
来てくれた警察官は、ナンバーを確認して、所有者に連絡してくれました。
でも電話に出ない。
登録されている番号に何度かけても出ない。
そして言われたのがこれでした。
「駐禁の処理はできます。ただ、すぐにレッカーで動かすのは難しいです」
その瞬間、力が抜けました。
こっちは車を出せない。
仕事にも行けない。
生活が止まっている。
でも相手が電話に出なければ、車はそのまま。
結局、困るのはこっちだけ。
その日、私はタクシーで駅まで行き、電車に飛び乗りました。
打ち合わせには遅刻。
取引先には頭を下げっぱなし。
戻ってきたのは昼すぎ。
ミニバンは、何事もなかったように消えていました。
謝罪の紙もない。
連絡もない。
ただ、シャッター前にタイヤの跡だけが残っていました。
実はこれ、初めてではありません。
月に2回。
ひどい時は週に1回。
夜に置かれて、朝までそのまま。
昼間に30分だけ塞がれることもありました。
最初は「たまたまかな」と思っていました。
でも、さすがに続きすぎる。
しかも毎回、シャッターの真正面。
少しずらせば出せるのに、きっちり塞ぐ。
この時点で私は決めました。
もう怒鳴らない。
直接文句も言わない。
全部、残す。
そこから私は、止められるたびに同じことをしました。
まず写真。
車の位置。
ナンバー。
シャッターとの距離。
撮影時間が分かるように、スマホの画面も一緒に撮りました。
次に記録。
何時に発見したか。
何時まで動かなかったか。
警察に何時に連絡したか。
仕事や予定にどんな影響が出たか。
タクシーを使った日は、領収書も必ず残しました。
管理会社にも毎回連絡しました。
「また塞がれています」
「今回は7時40分からです」
「警察にも連絡済みです」
最初、管理会社の反応は正直ぬるかったです。
「注意喚起の掲示をします」
「見回りを増やします」
でも、それでは変わりませんでした。
ミニバンはまた来ました。
しかもある日、私は見てしまいました。
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