え、これって席取りだったの⁉️
毎回学生センターに届けて徳積んだつもりになってた。
その瞬間、頭の中が一気に静かになった。
私はずっと、ただの“忘れ物”だと思っていた。
机の上に置かれたペットボトルやカバンを見るたびに、
「また誰か困ってるな」
そう思って、何度も学生センターに届けていた。
「すみません、またここにありました」
職員はいつも少し困った顔をしていた。
「これ、毎回同じ場所ですね…」
「そうなんですか?」
私は本当に何も知らないふりをしていた。
ある日、同じ席に座っていた学生たちが話しているのが聞こえた。
「また持っていかれたんだけど」
「え、あの人まだやってるの?」
その瞬間、初めて気づいた。
――あれ、もしかして席取り?
でも私はすぐには言わなかった。
「え、それって席取りだったんですか?」
職員に聞いた時、ようやく全てが繋がった。
「ええ…実は、そう疑われています」
後ろから声が飛んだ。
「は?ただの場所取りでしょ、いちいち邪魔しないでくれる?」
振り返ると、いつもの席の学生だった。
私はゆっくり言った。
「じゃあ、これは“忘れ物”じゃなくて“占有”なんですね」
その瞬間、空気が止まった。
数日後、掲示板に貼り紙が出た。
「荷物のみでの座席確保は禁止」
あの席から、荷物が消えていた。
職員に言われた。
「あなた、全部気づいてたんですね」
私は少し笑った。
「いえ、最初は本当に知りませんでしたよ」
ただ――
知らないふりを続けていただけです。
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