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「戻すの面倒」で肉を常温棚に放置→「店の仕事でしょ?」と開き直る客、防犯カメラで即崩壊
2026/04/29

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夕方のピーク直前、私はいつものように品出しをしていた。その日はやけに店内に違和感があった。

――どこか、変な匂いがする。

最初は気のせいかと思った。だが、通路を歩くたびに鼻を刺すような臭気が強くなる。冷蔵コーナーではない。乾物や粉物の棚のあたりだ。

「……まさか」

私は足を止め、奥の棚を覗き込んだ。

そこにあったのは、本来あるはずのないものだった。

お好み焼き粉の間に、パックの牛肉が突っ込まれている。しかも――変色していた。

蓋の内側には水滴が溜まり、肉はドリップで濁り、明らかに時間が経っている。鼻を近づけた瞬間、強烈な腐敗臭が押し寄せた。

「うわっ……最悪だ」

すぐに手袋をはめ、バックヤードへ持ち込んだ。廃棄確定だった。

生鮮品は一度でも常温に置かれた時点で、時間が分からない以上、絶対に売れない。たった一つの“面倒くさい”で、商品は丸ごとゴミになる。

その時、私は決めた。

――今日は犯人を見つける。

防犯カメラの映像を確認した。

映っていたのは、30代くらいの女性だった。肉を手に取り、少し考えた後、周囲を見回し――そのまま粉物の棚に押し込んで立ち去っている。

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「やっぱりか……」

ちょうどその時、同じ女性が再び店内に入ってくるのが見えた。私はすぐにレジ担当に合図を送り、出口付近で待機した。

しばらくして、その女性は何食わぬ顔で商品をカゴに入れ、レジを通ろうとした。

「すみません、お客様」

私は声をかけた。

女性は一瞬だけ顔をこわばらせたが、すぐに笑顔を作った。

「はい?」

「先ほど、お肉の商品を別の売り場に置かれましたよね?」

「え? 知りませんけど」

即答だった。だが私はタブレットを取り出し、映像を再生した。

画面には、さっきの行動がはっきり映っている。

女性の顔色が一気に変わった。

「……あの、それは……ちょっと戻すのが面倒で……」

「面倒、ですか」

私は静かに言った。

「その“面倒”で、この商品はすべて廃棄になります」

周囲の客がざわついた。

女性は焦った様子で言い訳を重ねる。

「でも、たった一個ですよね? そんな大げさに……」

その瞬間、私ははっきりと言った。

「では、お客様が弁償されますか?」

空気が凍った。

女性は口を開いたまま固まった。

「これは店の損失です。そして他のお客様にも迷惑がかかっています。

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匂いで売り場全体の印象も悪くなります」

周りの客から小さな声が上がる。

「最低だな……」「戻せばいいだけなのに……」

女性はついに視線を落とした。

「……すみませんでした」

だが、それでは終わらなかった。

店長が出てきて、正式に対応が始まった。

・商品代の弁償・注意記録・悪質と判断した場合は出入り制限

女性は顔を真っ赤にして、何度も頭を下げた。

レジを終えた他の客たちは、明らかに彼女を避けるようにして店を出ていく。

完全に“場の空気”が彼女を拒絶していた。

最後に店長が一言だけ言った。

「面倒くさいことを他人に押し付ける人は、どこに行っても信用されませんよ」

女性は何も言えず、そのまま小さくなって店を出ていった。

その背中を見ながら、私は思った。

たった一つの行動でも、人の本性は出る。そして、その“ツケ”は必ず自分に返ってくる。

その日、バックヤードには廃棄された肉が一つ増えた。でも同時に、“もう同じことをしない人間”が一人増えたのかもしれない。

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