昼休みが終わり、オフィスに戻った。
デスクまでの廊下を歩く足音が、いつもより少し重く感じる。
空調の微かな冷気に混ざって、何か違和感を覚えた。
デスクに近づくと、目の前に見慣れぬ物が置かれていた。
無造作に置かれたそれは、小さな包みだった。
色も形も見慣れない。思わず息を止める。
嗅覚が反応した。
嫌な予感が走る。
だが、心のどこかで「臭いは気を付けてるから、大丈夫だろう」と思う自分もいた。
それでも指先が少し震える。
包みに近づくと、周囲を見回す。
誰もいない。静まり返ったオフィス。
同僚の笑い声も、電話のベルも、今日はすべて遠く感じる。
「誰だろう…」
心の中でつぶやく。
怒りか、不安か、期待か、感情が混ざる。
直接言って欲しい――そう思う気持ちと、怖さが交錯する。
手を伸ばす。
指先が包みに触れた瞬間、思わず息を吸い込む。
重さはあるのか、柔らかいのか。
不意に、心臓が高鳴る。
ふと、オフィスの扉の方を見た。
誰かがこちらを見ているのではないか。
目が合うのではないか。
期待と恐怖が、胸の中で波のように押し寄せる。
包みを開ける手が少しずつ動く。
慎重に。
しかし、指先に触れる感触で、予想外の軽さを感じた。
包みの中身を確認すると、思わず目を丸くする。
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