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「商品盗難が相次いだため受け取り方法を変更します」配達員を信用して置いていた商品が消え続け、店がついに従業員前での確認制に切り替えた話
2026/06/23

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昼のピークが終わったあと、店内に一枚の貼り紙を出した。

「配達パートナーの皆様へ」

できれば、こんな紙は出したくなかった。

お客様にも見える場所に、わざわざ注意文を置く。

店としても気持ちのいいものではない。

でも、出さざるを得なかった。

理由は簡単だ。

商品の盗難。

相次ぐクレーム。

そして、誰がどの商品を受け取ったのか分からなくなる混乱。

最初は、私たちも配達員を信用していた。

画面を見せてくれる。

注文番号を確認する。

商品を渡す。

「お願いします」

「行ってきます」

それで終わるはずだった。

でも、現実はそんなにきれいではなかった。

混雑した時間帯。

カウンター前には、配達員が何人も集まる。

スマホを片手に、無言で番号を見せてくる人。

急いでいるのか、袋を指さすだけの人。

「それです」と言って、こちらの返事を待たずに持っていこうとする人。

中には、注文番号すらきちんと確認せず、置いてある袋に手を伸ばす人もいた。

最初は注意で済ませていた。

「番号を確認させてください」

「受け取り確認をお願いします」

「画面を見せてください」

そのたびに、明らかに面倒くさそうな顔をされる。

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こちらが悪いみたいな空気になる。

でも、面倒なのはこっちも同じだ。

ハンバーガー一個、ポテト一つでも、お客様から見れば大事な注文だ。

届かなければ店にクレームが来る。

冷めていれば店が怒られる。

中身が足りなければ店が謝る。

配達途中で何が起きても、最初に矢面に立つのはだいたい店だ。

ある日、決定的なことが起きた。

商品を渡したはずの注文が、届いていないと連絡が来た。

「配達員が受け取り済みになっているのに、商品が来ません」

画面上では完了。

でも、お客様は受け取っていない。

確認すると、店では商品を出している。

袋も消えている。

では、どこへ行ったのか。

空気が一瞬で重くなった。

別の日には、袋の状態がおかしいという連絡もあった。

封が甘い。

中身がずれている。

触られたように見える。

もちろん、全部が配達員のせいだと決めつけるつもりはない。

真面目に働いている人も多い。

雨の日も、暑い日も、走り回って届けてくれる人がいる。

そこには感謝している。

でも、一部の雑な人間のせいで、店も客も巻き込まれる。

そして、真面目な配達員まで同じ目で見られる。

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それが一番腹立たしい。

だから、貼り紙を出した。

商品受け取りの際は、必ず従業員に声をかけること。

番号を照合すること。

画面を確認すること。

勝手に持っていかないこと。

たったそれだけの内容だ。

本来なら、わざわざ書くような話ではない。

でも、書かなければ守られないなら、書くしかない。

貼り紙を出した直後、何人かの配達員が不満そうに見た。

「信用してないってことですか?」

そんな顔だった。

そうです。

正直、もう無条件では信用できません。

信用は、積み上げるものだ。

店の棚に置いてある袋を、誰でも自由に持っていけるシステムにした結果、問題が起きた。

なら、次は確認する。

当たり前の話だ。

信用しているから確認しない、ではない。

確認するから信用できるのだ。

そこを勘違いしないでほしい。

お客様は、店の名前を見て注文している。

マックの商品として待っている。

配達アプリの向こうで、子どもがポテトを楽しみにしているかもしれない。

仕事の合間に、やっと昼ごはんを頼んだ人かもしれない。

それが途中で消える。

中身が怪しくなる。

届かない。

そんなことが続けば、怒られるのは当然だ。

そしてその怒りは、なぜか店にも来る。

「ちゃんと渡したんですか?」

「管理どうなってるんですか?」

「店が悪いんじゃないですか?」

言いたくなる。

こちらも被害者です、と。

でも、客にそんな言い訳をしても仕方ない。

だから、店側でできる対策をする。

番号を確認する。

画面を見る。

手渡しの瞬間を曖昧にしない。

それだけだ。

貼り紙一枚で、すべてが解決するとは思っていない。

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でも、少なくとも「勝手に持っていける」と思われるよりはいい。

急いでいるのは分かる。

一件でも多く配りたいのも分かる。

でも、その数秒の確認を嫌がるなら、食品を運ぶ仕事に向いていない。

スピードより大事なものがある。

それは、ちゃんと届けることだ。

店のカウンターは、無料の受け取り放題コーナーではない。

商品は番号で管理されている。

袋にはお客様がいる。

そこを忘れた瞬間、ただの配達ではなく、ただの迷惑になる。

今日もまた、スマホを片手に配達員が来る。

私は袋を渡す前に言う。

「番号、確認させてください」

面倒そうな顔をされても、確認する。

ため息をつかれても、確認する。

こちらももう学んだ。

信用しすぎると、泣くのは店とお客様だ。

商品を盗む人より、確認を嫌がる人の方がよほど信用を削っている。

配達員の民度を舐めるな、ではない。

店の防衛本能を舐めるな。

一部の人のせいで貼り紙が必要になる世界、ほんと地味に最悪だ。

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