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「キヌアから硬い破片が出たのに“返金しますね”だけ?」子どもが口に入れていたかもしれない異物混入を、下請けのせいで流そうとされたので保健所に通報した話
2026/06/17

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あれは、盆の時期だった。

家の中も、外も、どこか浮ついていた。

スーパーも混んでいる。

道路も混んでいる。

親戚が集まる家も多く、食卓に出すものを多めに買う季節。

私もその流れで、コストコに行った。

大きなカート。

山のような商品。

人の波。

いつものことだけど、盆前のコストコは特にすごい。

肉も惣菜も、みんなが奪い合うように見ていた。

私はその中で、キヌアの入った惣菜を買った。

野菜も入っていて、見た目もきれい。

家族で分けるにもいい。

少し健康的なものを食べた気にもなれる。

正直、そういう軽い気持ちだった。

家に帰って、容器を開けた。

スプーンですくう。

皿に盛る。

いつものように食卓に出した。

その時だった。

何かが、カチッと当たった。

最初は、乾いた野菜の芯かと思った。

でも、違った。

透明っぽい小さなカケラ。

指でつまむと、硬い。

薄い。

尖っている。

ガラスか、プラスチックか。

どちらにしても、食べ物の中にあっていいものではない。

私は一瞬、息が止まった。

「え、何これ」

家族の手が止まった。

皿の上のキヌアが、急に別物に見えた。

さっきまで健康的な惣菜だったものが、急に危険物入りの検査対象になる。

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私は慌てて容器を見た。

ラベル。

商品名。

購入日。

内容量。

全部写真に撮った。

カケラも捨てなかった。

小さな透明の欠片を、ティッシュの上に置く。

見れば見るほど、腹の奥が冷えていった。

もし気づかずに飲み込んでいたら。

もし子どもの口に入っていたら。

もし噛んで口の中を切っていたら。

そう考えた瞬間、背中がぞっとした。

私はすぐにコストコへ電話した。

こういう時、まず店に伝える。

当然だと思っていた。

電話口の人に、できるだけ冷静に説明した。

「キヌアから、ガラスかプラスチックのような欠片が出てきました」

「購入した商品です」

「食べる前に気づきましたが、他にも入っている可能性はありませんか」

私はそこで、少し身構えていた。

回収の案内。

販売状況の確認。

同じロットへの対応。

そういう話が出ると思っていた。

少なくとも、危険物が食品に混入していたかもしれないのだ。

ところが返ってきた言葉は、驚くほどあっさりしていた。

「返金しますね」

一瞬、耳を疑った。

返金。

いや、もちろん返金は必要だ。

でも、今の話はそこだけではない。

私はお金が欲しくて電話しているわけではない。

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百円玉を探しているわけでもない。

問題は、食べ物の中から硬いカケラが出てきたことだ。

私は聞いた。

「他に買った人への対応はどうなりますか?」

「同じ商品を食べた人がいるかもしれないですよね?」

「お子さんが口にしたら危ないと思うんですが」

電話口の温度は、あまり変わらなかった。

「特にこちらでは分かりかねます」

その言い方で、私は完全に冷えた。

いや、冷えたのはキヌアではなく、私の気持ちだ。

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