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「台北ホテル3日目の夜」全部屋ノック→他室のドアノブをガチャガチャ…次女がマグカップとスーツケースで籠城し、宿の対応を記録することにした話
2026/06/29

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台北市のホテルに泊まっていた次女から、夜遅くに連絡が来た。

最初の一文で、私は一気に眠気が飛んだ。

「ママ、今ちょっと怖いことがあった」

旅先の夜。

ホテルの部屋。

しかも一人。

その組み合わせだけで、胸の奥がざわついた。

次女は台北市内のホテルに滞在して三日目だった。

観光もして、食事もして、少し疲れていたらしい。

その夜も、シャワーを浴びて、もう寝ようとしていた。

部屋は静かだった。

廊下の音もほとんどしない。

ベッドの上に荷物を置き、スマホを充電し、明日の予定を確認していた。

その時だった。

コンコン。

ドアがノックされた。

最初、次女はホテルのスタッフかと思ったという。

でも、こんな時間に?

頼んだものはない。

清掃の時間でもない。

ルームサービスも呼んでいない。

少し不安になりながら、ドアの方へ近づいた。

すると、ドアが半ドアになっていた。

その瞬間、背筋が凍ったらしい。

閉めたはずのドア。

オートロックのはずのドア。

それが、わずかに開いている。

誰かが教えてくれたのかと思った。

「半ドアですよ」と、通りかかった人が親切にノックしたのかもしれない。

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そう考えようとした。

怖さを、なんとか普通の出来事に変換しようとした。

次女は急いでドアを閉めた。

カチッと音がした。

その音で少し安心した。

けれど、次の瞬間。

また、別の部屋からノックの音がした。

コンコン。

少し離れた場所で。

また別の方向から。

コンコン。

一部屋だけではない。

廊下のあちこちで、誰かがドアを叩いている。

そこで、次女は気づいた。

これはおかしい。

親切な宿泊客ではない。

ホテルスタッフでもない。

誰かが、フロアの部屋を片っ端からノックしている。

次女は息を殺して、ドアスコープを覗いた。

廊下の薄い明かりの中に、人影があった。

その人影は、ひとつの部屋の前で止まる。

ノックする。

反応がなければ、次の部屋へ行く。

またノックする。

まるで、どの部屋に人がいるのか探しているみたいだった。

次女はスマホを握りしめた。

手が震えて、画面の文字を打つのも遅くなったという。

すぐにフロントへ電話した。

「知らない人が廊下で部屋を順番にノックしています」

フロントの声は、すぐに緊張した。

「絶対に外へ出ないでください。すぐにガードマンを向かわせます」

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その言葉で、余計に怖くなった。

やっぱり普通ではないのだ。

ホテル側も、軽く流さなかった。

次女はドアの前から離れられなかった。

でも、近づきすぎるのも怖い。

向こう側に誰かがいる。

ただ一枚のドアを挟んで。

やがて、その人影はフロアの部屋をすべてノックし終えたらしい。

それだけでも怖い。

ところが、終わらなかった。

今度は向かいの部屋のドアノブを、ガチャガチャと回し始めた。

その音が、廊下に響いた。

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