「うわ、これはやばい」――そう思った瞬間、私は自分の座席に腰を下ろした。
目の前には、地面に寝転ぶ男性。
靴を脱ぎ、荷物は散乱。
足は前の座席にまで伸びている。
新幹線のグリーン車で、これはありえない。
静かに移動したい人が多いはずの車両。
でも、この人だけは完全に無視している。
最初は深呼吸して耐えた。
「まあ、少しの間だけ我慢すれば…」
でも足がこちらの足元に当たりそうになるたび、背中がゾクッとした。
荷物も踏みそうになる。
スマホを手に通話も始めた。
声は大きく、笑い声も混じる。
周囲の空気なんて関係ない様子。
まるで自分の部屋のようだ。
私は心の中で何度も「やめてくれ…」とつぶやいた。
でも届かない。
この無神経さは、もはや放置できないレベルだ。
視線を周りに走らせると、他の乗客も明らかに困惑している。
でも誰も何も言わない。
なるほど、こういう場合は自分で動くしかない。
私は座席番号、車両番号、荷物の位置を控え、写真を撮った。
これで後から証拠になる。
ただ黙って我慢していたら、何も変わらない。
心の中で決めた。
「このまま見過ごすわけにはいかない」
次の瞬間、私は呼び出しボタンを押した。
乗務員がやって来るまでの数秒、心臓がドキドキした。
相手はまだ地面でスマホを操作し、全く気付く気配なし。
乗務員に状況を説明した。
「隣の方が通路に寝転んでおり、荷物も散乱。
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