朝、いつも通りバッグを開けた瞬間、手が止まった。
お弁当袋の中に、何か紙が入っている。
「ん…?」
ちらっと見える文字に、胸が締め付けられる。
『何か一つでも良かった事、楽しかった事を見つけてきてね!』
読んだ瞬間、涙が溢れた。
手が震える。視界がぐるぐると回る。
朝の教室に着く前に、トイレに駆け込む。
便器の前でしゃがみ込み、泣きながら手紙を握りしめた。
「なんで…なんで今まで気づかなかったんだろう…」
目の奥が熱くなる。
心の底から、母の温かさが染み込んでくる。
手紙にはこう続く。
『無事で、すごせたとかでもOK!』
『ほんの少しでも、楽しい事がありますように!』
小さな文字に込められた愛情が、胸を圧迫する。
母の声が、頭の中で響いた。
「毎日、同じお弁当を作っていても、気持ちは変わらないんだよ…」
その温もりが、涙の洪水をさらに押し上げた。
私はふと思う。
「どうして私は、トイレでご飯を食べているんだろう…」
周りを気にせず、泣きながら箸を握る。
おかずの味も、今は何も感じられない。
目の前には手紙と、母の愛だけ。
前の晩、少し喧嘩もしていた。
「いつも同じお弁当だね」なんて、つい口を滑らせてしまった自分を思い出す。
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