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初デートで『男の子なら4000万円出す』と言われたら、その場で帰りますか?
2026/05/31

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「男の子を産んだら4000万円やる」

お見合い相手は真顔でそう言った。

最初は聞き間違いかと思った。

でも違った。

彼は本気だった。

その日のお見合いは最初から違和感だらけだった。

席に着いて10分もしないうちに、

「僕、男女平等派なんですよ」

と得意げに言った。

私は少し安心した。

まともな人かもしれない。

そう思った。

ところが次の瞬間。

「だから会計は完全に割り勘でお願いします」

と言われた。

別に割り勘は嫌じゃない。

だから私は普通に答えた。

「はい、大丈夫ですよ」

すると彼は明らかに安心した顔をした。

今思えば、

その瞬間に舐められたんだと思う。

この女は押せる。

反論しない。

そう思ったのだろう。

そこからだった。

話がおかしくなり始めたのは。

「女って感情的ですよね」

「結局、女は男に養われたいんですよ」

「最近の女性は権利ばかり主張する」

「独立女性とか言うけど、結局お金ですよね」

私は何も言わなかった。

否定もしなかった。

途中から興味が湧いたのだ。

この人はどこまで本音を出すんだろうと。

すると案の定だった。

彼はどんどん調子に乗った。

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まるで講演会でも開いているみたいに、

女性論を語り続ける。

そして話題は結婚になり、

やがて子供の話になった。

その時だった。

彼はコーヒーを一口飲みながら言った。

「僕ね、男の子なら4000万円出すんですよ」

私は聞き返した。

「え?」

彼は当然のように続ける。

「男は価値がありますからね」

「家を継ぐし」

「投資する意味がある」

そして笑いながら付け加えた。

「女の子だったら、そこまでかな」

私はしばらく黙った。

怒りより先に、

驚きが来た。

この人は冗談で言っているんじゃない。

本気で言っている。

本気で人間の価値に値段を付けている。

私はゆっくりカップを置いた。

そして言った。

「じゃあ私が1億円あげるから――」

彼は少し笑った。

まだ余裕があった。

まだ自分が上だと思っていた。

私は続けた。

「お母さん殺してきて」

その瞬間だった。

彼の表情が止まった。

本当に止まった。

口が半開きのまま固まる。

目だけが私を見ている。

数秒。

店内の音だけが聞こえた。

隣の席の笑い声。

店員が食器を片付ける音。

でも彼だけが完全に静止していた。

「……は?」

ようやく出た言葉がそれだった。

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私は黙って彼を見ていた。

すると彼の顔が少しずつ赤くなっていく。

「お前、頭おかしいのか?」

「何言ってるんだよ!」

「母親だぞ!」

ついさっきまでの余裕は消えていた。

私は静かに言った。

「そうですよね」

「あなたにとってお母さんは大事な人ですよね」

彼は怒鳴った。

「当たり前だろ!」

私は頷いた。

そして言った。

「でもあなたは今、自分の子供になるかもしれない女の子に値段を付けましたよね」

彼は黙った。

私は続けた。

「あなたにとっては母親が大切」

「でも誰かの娘は4000万円以下」

「その違いを説明してもらえますか?」

返事はなかった。

いや、

返事ができなかった。

彼はただ顔を真っ赤にして座っているだけだった。

私は席を立った。

会計はもちろん自分の分だけ払った。

最後まで彼は何か言っていた。

でも聞かなかった。

店を出ながら思った。

今日来たのはお見合いだったはずなのに、

私は結婚相手を探していたんじゃなかった。

女性を人間として見ているかどうか。

それを確認する面接だったんだなと。

そして結果は、

過去最悪だった。

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