あの日の放課後、私はいつもの道を歩いて帰っていた。
ランドセルが少し重くて、早く家に帰りたいなと思いながら。
そのときだった。
「ちょっといいかな?」
急に、スーツを着た男の人に声をかけられた。
最初は、道でも聞かれるのかなと思った。
でも、その人は私の前に立つと、手のひらを差し出してきた。
そこには、白い小さな錠剤がいくつか乗っていた。
「これ、飲んでみない?」
私は一瞬、何を言われているのか分からなかった。
男の人はにこにこしながら言った。
「眠気が覚めて、すっきりするんだ。
ダイエットにもいいよ。ビタミンみたいなものだから。」
頭の中が一瞬止まった。
え?
なんで私に?
私は小学校6年生だ。
知らない大人に薬をもらう理由なんてない。
「大丈夫だよ。」
男の人はさらに言った。
「みんな飲んでるし。
一回くらいなら、どうってことないよ。」
その言葉を聞いた瞬間、
学校で受けた安全授業のことを思い出した。
先生が言っていた。
「知らない人から食べ物や薬をもらったら、絶対に受け取らないこと。」
その言葉が、頭の中で何度も響いた。
私は一歩下がった。
でも男の人は、少しだけ前に出てきた。
「ほら。」
そう言って、私の手を取ろうとした。
心臓がドクンと大きく鳴った。
怖い。
でも、逃げなきゃ。
その瞬間、私はわざと大きな声を出した。
「なんで小学生に薬を渡すんですか!?」
思った以上に大きな声が出た。
近くを歩いていた人たちが、
一斉にこちらを見た。
男の人の顔が一瞬で変わった。
さっきまでの笑顔が消えた。
「いや…これは…」
男の人は何か言おうとしたけど、
私はそのまま走った。
目の前にあったコンビニに飛び込んだ。
「すみません!」
レジにいた店員さんに言った。
「外の人が、変な薬をくれようとしました!」
店員さんの顔が一瞬で真剣になった。
「大丈夫?
どんな人?」
私は震えながら説明した。
店員さんはすぐ外を見て、
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください
引用元:https://www.threads.com/@qyi2x/post/DVVmwK7iYle/media,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]