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「ここに行きたいんですが…」90歳のおじいさんが手に握った電話番号だけで友達を探しに来た!道を知らない私が付き添った2時間の奇跡の旅とは…
2026/05/28

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「すみません、この人の家に行きたいんですが……」

道端で突然、90歳のおじいさんに声をかけられた。

手に握っていたのは、住所ではなく電話番号だけ。

正直、最初に思ったのは――
「え、知らんがな……」だった。

知らない人。
知らない電話番号。
知らない誰かの家。

しかもおじいさんは少し不安そうに立っていて、こちらをじっと見ている。

変な話に巻き込まれたらどうしよう。
間違った場所に連れて行ったらどうしよう。
そもそも私が関わっていい話なのか。

頭の中では、面倒くさい気持ちと警戒心がぐるぐる回っていた。

でも、そのおじいさんは小さな声で言った。

「友達に会いに来たんです」

その一言で、私は足を止めた。

電話番号だけを頼りに、90歳のおじいさんがひとりで友達に会いに来た。

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しかも、ここまで2時間かけて来たという。

その瞬間、さっきまでの「知らんがな」は、すっと消えた。

私は番号に電話をかけ、相手に事情を説明した。
住所を聞き、場所を確認し、おじいさんに伝える。

するとおじいさんは、子どものようにほっとした顔で笑った。

「よかった。会えるんですね」

その顔を見たら、もう放っておけなかった。

私は「一緒に行きましょう」と言って、おじいさんの歩く速さに合わせて道を進んだ。

途中、おじいさんはいろいろ話してくれた。
昔のこと。
友達との思い出。
最近はなかなか会えなくなったこと。

歩くスピードはゆっくりだったけれど、その声はとても明るかった。

90歳になっても、会いたい友達がいる。

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そして、2時間かけてでも会いに行こうと思える。

それって、なんて素敵なんだろうと思った。

ようやく目的の家に着いたとき、中から出てきたのは、同じように可愛らしいおじいさんだった。

ふたりは顔を見合わせた瞬間、ぱっと表情を明るくした。

手を上げて、まるで少年みたいに挨拶していた。

その姿を見た瞬間、胸がじんわり熱くなった。

私はただ道案内をしただけ。

でも、目の前には「長く生きた人だけが持っている友情」があった。

数日後、会社に一通の手紙が届いた。

差出人は、あのおじいさんだった。

中には丁寧なお礼の言葉と、可愛いクッキー。

その手紙を読んだ瞬間、私は思わず笑ってしまった。

最初は少し警戒していた自分が恥ずかしくなるくらい、最後まで全部が可愛い人だった。

道に迷っていたおじいさんを助けたつもりだった。

でも本当は、私のほうが大切なことを教えてもらっていた。

何歳になっても、会いたい人に会いに行くこと。
ありがとうをちゃんと伝えること。
友達を大事にすること。

私も、こんなふうに年を重ねたい。

そして今いる大切な人たちを、ちゃんと大事にしようと思った。

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