家に帰った瞬間、私は思わず足を止めた。
敷地の中に、見覚えのない白い車が堂々と停まっていた。
しかも、ただ停まっているだけではない。
出入口をふさぐような位置。
私の車を出そうと思えば、かなり気を使わないといけない場所。
そして、そのすぐ近くには、はっきりと書かれた看板がある。
「無断駐車 10万円」
いや、見えてるよね?
絶対に見えてるよね?
私はしばらくその場で固まった。
誰かの来客かと思って周囲を見たけれど、心当たりはない。
住人の車でもない。
管理会社から何か連絡があったわけでもない。
完全に、勝手に停めている。
正直、その瞬間に怒りがこみ上げた。
ここはコインパーキングじゃない。
空いているから使っていい場所でもない。
人の敷地だ。
しかも、警告の看板まで出ている。
それを無視して停める神経が、本当に理解できなかった。
まず私は深呼吸した。
感情のままに車を蹴ったり、張り紙を乱暴に貼ったりしたら、こちらが悪くなる。
こういう時こそ、冷静に証拠を残すのが一番強い。
私はスマホを取り出し、車の正面を撮った。
ナンバーがはっきり写るように。
敷地の位置が分かるように。
出入口をふさいでいる状態が分かるように。
そして「無断駐車10万円」の看板も一緒に入る角度で撮った。
時間も記録した。
次に、警察へ連絡した。
「自宅の敷地に知らない車が無断駐車しています。
出入口にもかかっていて困っています」
そう説明すると、警察は確認してくれた。
ナンバーも伝えた。
車種も色も伝えた。
停まっている場所も説明した。
すると返ってきた言葉に、私は思わず耳を疑った。
「ナンバーから連絡先が確認できないようです」
……え?
そんなことある?
もちろん、事情はいろいろあるのかもしれない。
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