あれは、昼どきにふらっと立ち寄った店でのことだった。
お腹が空いていて、さっと食べて帰ろうと思っただけだった。
店内はそこそこ混んでいた。
家族連れもいれば、一人で食べている人もいる。
レジの前には小さな列ができていて、店員は慌ただしく動いていた。
私は注文を済ませて、品物を受け取って、会計をした。
特に変わったことはなかった。
少なくとも、そのときの私はそう思っていた。
店員の愛想が特別いいわけでもなかったが、まあ忙しい時間帯ならそんなものだろう、と。
少しだけ機械的な接客だな、とは思った。
でも、いちいち気にするほどでもなかった。
そのまま店を出て、買ったものを持って帰った。
問題は、そのあとだった。
家に着いて、何気なくレシートを見た。
金額を確認したかっただけだ。
合っているかどうか、ただそれだけのつもりだった。
すると、そこに手書きの文字があった。
最初、意味がわからなかった。
見間違いかと思って、もう一度見た。
でも、何度見ても同じだった。
そこには、はっきりと書かれていた。
「ブス女」
一瞬、頭が真っ白になった。
いや、ちょっと待て、と。
何これ。
誰に向けて書いてるの。
そして、答えは考えるまでもなかった。
そのレシートは私のものだった。
つまり、その場で店員が私をそう認識して、それをそのまま書いたということになる。
あまりにも露骨だった。
裏で思っているだけならまだしも、文字にして、しかも客に渡すレシートに残してくるとは思わない。
普通、悪口というのは心の中で止めておくものだろう。
まさか会計の証明書に載せてくるとは。
雑にもほどがある。
怒りより先に、変な笑いが出そうになった。
ひどすぎて逆に現実味がなかったのだ。
でも、じわじわ腹が立ってきた。
こっちは客として金を払っている。
別に絡んだわけでもない。
文句を言ったわけでもない。
普通に買って、普通に帰っただけだ。
それなのに、最後に渡された紙に悪口が書いてある。
こんな失礼な話があるだろうか。
私はそのレシートを持って、店に意見を書いた。
かなり率直に書いたと思う。
要するに、
「私は客なのに、なぜこんなことを書かれなければならないのか」
という話だ。
見た瞬間、本当に不快だったこと。
二度と利用したくないと思ったこと。
店員本人だけの問題なのか、店全体の空気がそうなのか、疑いたくなるレベルだということ。
書いているうちに、だんだん腹が据わってきた。
笑い話で済ませてはいけないと思ったのだ。
その後、店から返答が出た。
まず、謝罪はあった。
そこまではまあ当然である。
そして説明としては、レシートには本来、顧客の特徴や注文を区別するための簡単なメモを書くことがあるらしい。
たとえば「女一人」とか、「子ども連れ」とか、そういう識別用の表記だという。
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