「盗んだ側のプライバシーが、被害者の安全より優先されるんだな」って、今年いちばん腹が立った話。
去年、宅配物が盗まれました。
“届いてない”じゃなくて、確実に持っていかれたやつ。
警察に被害届を出して、指紋も採取して、注文履歴や状況も全部提出。
あとは待つしかない…と思ってた。
そして今年。警察から電話。
「犯人が捕まりました」
ここで一瞬、やっと終わるんだって思った。
でも次の一言で、頭が真っ白になりました。
「相手は20歳未満なので、名前は明かせません」
……は?
私、被害者なんだけど?
犯人の名前を“被害者が”知らされないって、どういうこと?
さらに追い打ち。
警察いわく、相手はこう言っているらしい。
「周りに知られるのは嫌だから、名前は明かしたくない。でも謝罪はしたい。だから被害者の電話番号を教えてくれれば直接謝る」
一瞬、笑いそうになりました。
いや、笑えない。怖い。
こっちは相手の情報ゼロ。
なのに相手は、宅配の件で少なくとも“住所に紐づく被害者”として私の存在を把握してる。
そこへ電話番号まで渡せ?
名乗らない相手に?
犯罪をした側に?
「電話番号は教えません」って即答しました。
すると警察は、法律上難しい、必要なら弁護士を…みたいな説明。
でも私の中でスイッチが切り替わった。
謝罪が欲しいんじゃない。
“対等”が欲しい。
被害者だけがリスクを背負わされる構図を、飲み込めない。
だから私はこう伝えました。
「私の連絡先提供が前提の謝罪は一切拒否します。示談の入口に使われるだけです」
「相手が本当に謝りたいなら、あなた方(警察)を通して“正式な手続き”でやってください」
「名乗りたくない、周りに知られたくない——それは加害者の都合です。私の安全と引き換えにする話じゃない」
「私は“私の安全を差し出す形の和解”はしません。法に沿って進めてください」
電話口が一瞬静かになって、警察のトーンが“相談”から“事務”に変わったのが分かりました。
その変化だけが、正直ちょっと救いだった。
少なくとも「被害者が折れれば丸く収まる」みたいな流れに、私は乗らなくて済む。
後日また連絡が来て、相手は「直接連絡できないなら謝罪は難しい」と言ったそうです。
……それって謝罪じゃなくて、条件交渉じゃない?
謝りたいんじゃなくて、困りたくないだけじゃない?
結局、私が強く感じたのはこれ。
この制度の中では、「名前を隠したい加害者」を守る仕組みは整ってるのに、
「知らない相手に個人情報を渡したくない被害者」を守る導線が弱すぎる。