「4796円の値札の前から取ったのに、レジで9592円になったんだけど?」
正直、意味が分からなかった。
しかも倍。きっちり倍。
私が買おうとしていたのは寝具売り場の敷きパッド。
売り場の表示は大きく4796円。
同じ柄の商品が何枚も積まれていて、どう見てもその山の商品がその値段だと分かる陳列だった。
でもレジを通した瞬間、表示は9592円。
すぐに店員さんに伝えた。
「すみません、売り場では4796円でしたよね?」
返ってきた言葉は予想外だった。
「レジは間違えません」
謝罪なし。確認もなし。断言。
売り場担当が呼ばれて、一緒に確認に行った。
そこでやっと原因が分かった。
同じ柄の敷きパッドが、実は二種類あった。
シングルサイズ 4796円
セミダブルサイズ 9592円
見た目はほぼ同じ。
タグの端に小さくサイズ表記があるだけ。
そして問題はここだった。
セミダブルの商品が、シングルの棚に混ざって積まれていた。
つまり
4796円の値札
シングル用の売り場
そこに9592円の商品が混在
店の陳列ミスだった。
ここまで確認できたので私は言った。
「値札は4796円ですよね。
ここに置いてある以上、その価格だと思いますよね?」
売り場担当の返事はあまりにもあっさりしていた。
「9592円の商品をここに置いているので、この商品は9592円で間違いないです」
理解が追いつかなかった。
「じゃあ、この4796円の表示は?」
「表示が違っていただけです」
それだけだった。
訂正もなし。謝罪もなし。
さらに続いた。
「4796円の商品は他店に在庫が1つあるので取り置きしました。
近日中に行ってお支払いしてください」
命令のように言って、そのまま去っていった。
店の陳列ミス。
でも取りに行くのは私。
時間を使うのも私。
正規価格を払うのも私。
しかも謝罪なし。
その瞬間、私はスマホの録音を開始した。
帰宅してから
売り場の写真
値札の写真
レシート
録音
全部整理して本部へ送った。
翌日、電話が来た。
声のトーンがまるで違った。
「この度は大変申し訳ございません」
調査結果はこうだった。
サイズ違い商品の混在による陳列ミス。
価格表示管理不備。
接客対応の不適切さ。
すべて店側の責任。
最終対応はこうなった。
商品は4796円で販売。
自店へ取り寄せ、無料配送。
店長から直接謝罪。
お詫びのクーポン。
売り場スタッフの再教育。
数日後、店長が言った。
「値札はお客様との約束です」
私は答えた。
「破られたのは価格じゃなくて、対応だと思います」
もしあの時、黙って9592円払っていたら。
もし面倒だからと帰っていたら。
何も変わらなかったと思う。
だから聞きたい。
値札と違う金額を請求されたら、
あなたならどうしますか?