夏のコミケ。
朝からブースの準備で汗だくだ。
机の上には新刊、グッズ、そしておつり用の硬貨が並んでいる。
ファンが次々に訪れ、列は途切れない。
売り上げを計算していると、ふと目に止まった硬貨がある。
「ん…?」
手に取ると、500円玉に見える硬貨。
しかし、よく見ると文字や年号が微妙に違う。
「これ…500ウォン?」
昔、噂で聞いた詐欺の話が頭をよぎる。
500ウォンは、日本円に換算するとたったの50円。
つまり、50円で新刊を買われたことになる。
思わず肩が震える。
「許せない…」
周囲を見渡す。
列は途切れず、誰も気付いていない。
私は心の中で舌打ちした。
「コミケ、何年経っても油断できない」
汗で額が濡れる。
心拍数が少し上がる。
硬貨を並べて比較する。
左が日本の500円玉、右が韓国の500ウォン。
大きさも色も似ていて、素人には見分けがつかない。
「巧妙すぎる…」
机の上に硬貨を置き、指先で何度も触る。
感触もほぼ同じだ。
販売している間も、無意識にこの硬貨をチェックする。
誰かが本当に騙そうとしているのか、それとも間違いなのか。
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