朝5時。
いつも通り起きた。
キッチンの電気を全部つける前に、まずミルクを作る。
子どもは1歳8ヶ月。夜中に一度起きたばかりで、まだ声が少し枯れている。
ミルクを溶かしながら、今日の会議のこと、保育園の送迎、洗濯物を干すタイミングのことを考えていた。
その時、冷蔵庫が目に入った。
冷蔵庫のドアに、付箋が四枚貼ってあった。
黄色くて、新しくて、角がきちんと揃っている。
一枚目。
「1日の食費上限 1,000円(外食は含まない)」
二枚目。
「共同生活費は日用品のみ。個人購入は禁止」
三枚目。
「5,000円以上の支出は事前報告必須」
四枚目。いちばん下。文字が一番大きい。
「ルール違反の支出は、あなたの個人口座から差し引きます」
私はその場に立ち尽くした。
哺乳瓶の中で、お湯が溢れそうになっていた。
その瞬間、はっきり分かった。
今日は、今週三度目の無断外泊の翌朝。
そして、私の給料日だった。
結婚して5年。
子どもができる前は、彼のことを「堅実」「計画的」だと思っていた。
でも子どもが生まれてから分かった。
彼はただ、私たちを家族として扱っていなかっただけだ。
「生活費は俺が出してるだろ」
「ルール通り使えばいいだけ」
「別に仕事辞めろなんて言ってない」
現実はこうだ。
私は毎朝5時に起き、保育園に送り、フルタイムで働く。
仕事が終われば急いで迎えに行き、夕飯を作り、洗濯をして、寝かしつける。
一方で彼は、帰りたい時に帰り、
帰りたくない時は「外に泊まる」。
そして言う。
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