退院したその日、玄関開けた瞬間に思った。
「やっと家だ……ベッド……」
――とか言ってる場合じゃなかった。
リビングの真ん中に、うちの義母がドン。手にはデカい保冷バッグ、箱、そして透明ファイル。
で、第一声。
「はい、これ。20万。先に受け取り。」
「え、ちょ……」って固まってたら、義母がファイルをテーブルに**バン!**って置いた。
表紙にデカデカと手書きで、
『新生児と産婦優先法』
……なにそれ、強そう。
私が笑いそうになった瞬間、ピンポーン。
来た。来たよ。地獄の追加メンバー。
義父・義妹、そして――
ニコニコしながら「お邪魔しまーす」って入ってきた女。
夫の元カノ。
その後ろに、近所の噂好きおばちゃんまで果物カゴ持って立ってる。
「退院おめでと〜!大変よねぇ。でも最近の子ってさ、産後なのに“手伝って”とか言って、姫みたいで〜」
……は? いきなり何言ってんの。クソうざ。
元カノは元カノで、いい子ぶった声で
「私、通りかかったから手伝いに来ただけですぅ。お義母さんも心配で……ね?」
って、めっちゃ“正しい人”ムーブ。
で、義妹がスマホをスッと出して私に見せてきた。
「ねぇお義姉さん、被害者ぶるのやめて? LINEの一族グループ見た?」
画面には、私が病院のベッドで赤ちゃん抱いてる写真。
顔色死んでるやつ。
その下に、もっと最悪なのがあった。
授乳してる背中。カーテン引いてたのに、角度つけて撮られてる。
送った人――
夫。
しかも夫のコメントが
「授乳なのに隠すとか矯情すぎ。」
グループの返信がズラッと並ぶ。
「公主病で草」
「めんどくさ」
「嫁ってより女王様じゃん」
……頭がスッと冷えた。
私、赤ちゃん抱えたまま夫を見た。
夫は目逸らして、ヘラヘラしながら言った。
「いや、その…みんなに誤解されたら嫌かなって…」
誤解?
お前が刀投げてんだろ。 ふざけんな。
義父が咳払いして、家長ヅラ。
「家に戻ったなら、きちんと“家の付き合い”を――」
その瞬間、義母が一歩前に出た。
声、低い。
「……第一条。」
全員「は?」って顔。
義母、ファイル開いて淡々と読む。
「産婦の意思が最優先。許可なし訪問は“迷惑行為”。」
義妹が笑って「ママなにそれw」って言いかけた瞬間、
義母、目だけで殺した。
「黙れ。第二条。産婦と新生児の写真・情報は無断共有禁止。
やったやつは加害者。言い訳なし。」
義母の視線が夫に刺さる。
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