家に帰る、というのは本来、いちばん安心できる瞬間のはずだった。
仕事で疲れていても、買い物袋が重くても、玄関の前まで来れば少しだけ気が抜ける。
「やっと帰ってきた」
そう思いながら鍵を出し、いつものようにドアを開ける。
でも、その日は違った。
玄関ドアの上の方に、見覚えのない透明なテープが貼られていた。
最初は、ただのゴミかと思った。
何かの剥がし忘れかもしれない。
風で飛んできたものが、たまたま引っかかっただけかもしれない。
そう思おうとした。
けれど、よく見ると場所が妙だった。
ドアの上部。
開け閉めすると、ちょうど状態が変わりそうな位置。
普段なら絶対に気づかないような、でも一度見つけてしまうと無視できない場所。
「これ、誰が貼ったの?」
頭の中に、その一言が浮かんだ瞬間、急に玄関前の空気が変わった気がした。
自分の家の前なのに、安心できない。
早く中に入りたいのに、ドアを開けるのが怖い。
後ろに誰かいるわけでもないのに、なぜか背中がぞわっとする。
もちろん、これが何のために貼られたものなのかは分からない。
本当にただの偶然かもしれない。
清掃や修理の時に残ったものかもしれない。
誰かのいたずらかもしれない。
でも、もし。
もしこれが、誰かが「この家の人が出入りしたかどうか」を確認するためのものだったら――。
そう考えた瞬間、ただの透明テープがまったく別のものに見えてくる。
ネット上でも、同じ写真を見た人たちから不安の声が相次いだ。
「これは怖い」
「自分ならすぐ管理会社に連絡する」
「考えすぎと言われても、玄関に見覚えのないものがある時点で嫌だ」
「一人暮らしなら絶対に見逃しちゃいけないやつ」
一方で、冷静な意見もある。
「本当に監視目的とは限らない」
「誰かが故意に貼ったと決めつけるのは早い」
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