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「警察にはお前が運転したことにしてくれ」川に沈んだ社用プリウスを前に、上司が私へ丸投げ。翌朝の会議で録音を流した瞬間…
2026/07/06

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「警察には、お前が運転したことにしてくれ」

上司からの電話は、その一言から始まった。

私は一瞬、何を言われているのか分からなかった。

「……どういう意味ですか?」

そう聞き返すと、上司は面倒くさそうにため息をついた。

「だから、社用車だよ。プリウス。ちょっと河原で滑って、水に入っただけだ」

“ちょっと”で済む話ではなかった。

送られてきた写真には、黒いプリウスが半分ほど水に沈んでいた。

前輪は完全に水の中。

後輪だけが岸に残り、まるで車が自分から川へ入っていったような状態だった。

私はスマホ画面を見たまま、背筋が冷たくなった。

その車は会社の営業車だった。

ただし、その日その車を使っていたのは私ではない。

朝礼のあと、上司が自分で鍵を持っていった。

「得意先に顔を出してくる。午後には戻る」

そう言って、黒いプリウスで出ていったのを私は見ている。

それなのに、電話口の上司は平然と言った。

「お前、若いんだからさ。一回くらい運転ミスしたことにしても大丈夫だろ」

私は言葉を失った。

「会社としても、部長が事故ったってなると面倒なんだよ」

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「お前ならまだ“新人の操作ミス”で通る」

「悪いようにはしないから」

軽い口調だった。

まるで昼休みに弁当を買ってきてくれと言うくらいの軽さだった。

でも、言っている内容は完全におかしかった。

私は深呼吸した。

怒鳴り返したい気持ちはあった。

けれど、ここで感情的になったら負けだと思った。

「すみません、状況が分からないので、もう一度説明してもらえますか?」

私はそう言いながら、通話の録音ボタンを押した。

上司は気づかずに話し続けた。

「だから、お前が運転していて、河原の駐車スペースで操作を誤ったことにする」

「警察にも保険会社にも、それで言えばいい」

「会社のためだ。分かるだろ?」

分かるわけがなかった。

会社のためではない。

上司が自分のミスを隠すためだ。

私は電話を切ったあと、すぐに動いた。

まず、社用車の利用記録を確認した。

その日のプリウスの使用者欄には、上司の名前が入っていた。

次に、社内チャットを開いた。

朝、上司が私に送ってきたメッセージが残っていた。

「今日は俺がプリウス使う。鍵は持っていく」

これだけでも十分だった。

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さらに、上司のスケジュールを確認した。

午前十一時、河川沿いの取引先と現地打ち合わせ。

場所も一致している。

そして決定的だったのは、取引先の担当者から送られてきた写真だった。

「先ほどの現場写真です」と共有された画像。

そこには、川の近くに停まった黒いプリウスと、その横に立つ上司の姿がはっきり写っていた。

しかも、運転席側のドアが開いている。

私はそれらを全部保存した。

スクリーンショットを取り、ファイル名に日付を入れ、録音も別の場所にコピーした。

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