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「ただちょっと停めただけだろ!」ブロック塀に車を乗り上げた男性。私が写真を警察に見せた瞬間、強気だった態度が一気に変わり…
2026/07/09

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最初にその光景を見た時、私は本気で目を疑った。

駐車場の向こう側。

ブロック塀の上に、軽自動車が半分乗り上げていた。

前輪はほとんど浮いていて、下には警察車両と歩行者が通るスペース。

少しでもバランスを崩したら、そのまま落ちてもおかしくない状態だった。

周りの人たちも、みんな同じ顔をしていた。

「どうやったら、あそこに乗るの?」

そう言いたくなるような状況だった。

私はすぐにスマホを出した。

野次馬で撮りたかったわけじゃない。

危険な状態だし、あとで物业や警察に説明するためにも、現場の写真は必要だと思ったから。

ところが、シャッターを切った瞬間。

車の持ち主らしき男性が、すごい勢いでこちらに来た。

「おい!何撮ってんだよ!」

いきなり怒鳴られて、周りの空気が止まった。

私は冷静に言った。

「危ない状態なので、記録しています」

すると男性はさらに声を荒げた。

「プライバシーの侵害だろ!今すぐ消せ!」

私は思わず、その車を見上げた。

プライバシー。

いや、今そこにあるのは、プライバシーより先に危険では?

車は塀の上に乗っている。

下には人がいる。

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ブロックには荷重がかかっている。

それなのに本人は、車の心配より写真を消すことに必死だった。

私は一歩だけ下がった。

そして、スマホを写真モードから動画モードに切り替えた。

男性がそれに気づいて、さらに顔を赤くした。

「録るなって言ってんだろ!」

私は言った。

「では、触らないでください。危ないので」

男性は舌打ちして、車の方を指差した。

「ただちょっと停めただけだろ!」

その言葉を聞いた瞬間、私は思わず聞き返した。

「ちょっと停めて、壁の上ですか?」

周りの人が小さくざわついた。

すると、男性は私をにらみつけた。

「お前には関係ない」

関係ない。

その言葉で、私の中のスイッチが入った。

関係ある。

もし車が落ちたら、下にいる人に当たるかもしれない。

塀が崩れたら、駐車場全体に被害が出るかもしれない。

誰かの車が巻き込まれるかもしれない。

そんな状況で「関係ない」は通らない。

その時だった。

塀の下を見ていた人が、急に声を上げた。

「ちょっと待って、ここ割れてない?」

全員の視線が、ブロック塀に集まった。

見ると、車の重みがかかっているあたりの目地に、細い亀裂が入っていた。

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さっきまで強気だった男性の表情が、一瞬で変わった。

私はすぐに、その亀裂も動画で記録した。

男性は慌てて言った。

「いや、これは前からだろ」

でも誰も信じていなかった。

むしろ、さっきまで黙って見ていた人たちまで口を開き始めた。

「いや、普通に危ないでしょ」

「動かしたら落ちるんじゃない?」

「警察呼んだ方がいいよ」

私はすでに通報していた。

数分後、警察が到着した。

警察官も車を見上げた瞬間、少しだけ固まっていた。

無理もない。

事故現場というより、なぜそうなったのか説明が難しすぎる光景だった。

男性は警察官に向かって、さっきとは違う声で言った。

「ちょっと操作を誤っただけです」

私は何も言わなかった。

ただ、撮っていた写真と動画を見せた。

車の位置。

塀の状態。

男性が「消せ」と迫ってきた場面。

亀裂が見つかった瞬間。

全部、順番に残っていた。

警察官が動画を確認すると、男性は急に静かになった。

さっきまで「プライバシー」と怒鳴っていた人が、今度は目をそらしている。

その後、吊り上げ作業が必要になった。

無理に車を動かすと、塀ごと崩れる可能性があると言われたからだ。

物业の人も呼ばれた。

修理業者の確認も入った。

結局、男性は塀の修理費、レッカー費用、現場対応の費用について説明を受けることになった。

最初に彼は、私に写真を消させようとした。

でも最後に、その写真と動画が責任の所在をはっきりさせる証拠になった。

あの時、私が黙って消していたら。

彼はきっと「大したことない」で済ませようとしたと思う。

でも、危険な現場で一番大事なのは、怒鳴る声じゃない。

残された記録だ。

壁の上に車を乗せておいて、「撮るな」と怒鳴る。

その理屈が通るほど、現実は甘くない。

彼が本当に消したかったのは、写真ではなく、自分の責任だったのだと思う。

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