金払って取った指定席の足元が、他人のピンクのキャリーで完全に潰されてた。
指定席に座ったら、目の前にデカいピンクのキャリーとバッグがそのままドン。持ち主はふわっとした格好で、悪びれる様子もなく隣で普通に座ってるのに、足元全部占領したまま完全に知らん顔。
は?
いやいやおかしいだろ。
これ、こっちのスペースだよね?
でも一瞬だけ迷った。
言う?やめる?
相手は完全に“自分の場所”みたいな顔してるし、こっちは一人。
正直ちょっと面倒なタイプの予感もあった。
でもこのまま我慢する方が無理だった。
私はそのまま座って、一言だけ言った。
「これ、指定席の範囲って分かってます?」
すると。
女、こっちチラッと見て。
「え、だって荷物多いし」
は?
いやいや、それ理由にならないだろ。
しかもそのまま、全然どかす気配なし。
むしろちょっと不機嫌そうな顔。
「ちょっとくらい、いいじゃないですか」
いやよくないだろ。
ここで完全にスイッチ入った。
でも怒鳴る気はない。
私は一回だけ深呼吸して、軽く周りが聞こえるくらいの声で言った。
「これ、私が取った席のスペースなんで」
その瞬間。
前の席の人がチラッと振り向いた。
後ろからも視線。
空気、ちょっと変わる。
女、少しだけ動き止まる。
でもまだどかさない。
だからもう一歩。
「これ、このままだと足入らないんですけど」
声は普通。
でも完全に“逃げ場なし”のやつ。
周り、完全に状況理解した空気。
「確かにそれはちょっと…」
「邪魔ですよね」
小さく声が出始める。
さっきまで二人の問題だったのが、一気に“全体の空気”になった。
女、明らかに焦り始めた。
でもここで謝らない。
無言でガサガサっと荷物動かし始める。
しかも雑。
完全に不機嫌。
でも。
動いた時点で終わり。
最初からそうすればよかったのに。
足元、やっと空いた。
私はそのまま普通に座り直した。
何も言わない。
でも内心ちょっと思った。
——最初からどかせよ。
周りの空気も戻る。
さっきまでの変な圧、消えた。
と思ったら。
しばらくして車掌さんが来た。
たぶん誰かが見てた。
「お荷物は足元ではなく、棚をご利用ください」
静かに、でもはっきり。
女、完全に黙る。
さっきの強気、どこいった?
そのまま渋々、上の棚にキャリーを持ち上げた。
重そうなのに。
最初からやれよ。
車掌さん、私の方に軽く会釈。
「ご不便おかけしました」
で、小さく。
「よろしければどうぞ」
って、ドリンクサービスの案内。
いや、そこまでしてもらわなくてもいいんだけど。
でも正直、ちょっとありがたかった。
あのまま我慢してたら、
足元狭いまま
嫌な気分のまま
だったし。
ちゃんと言ってよかった。
その後、女はずっと静かだった。
スマホいじってたけど、さっきみたいな態度は一切なし。
一度も目合わせてこなかった。
まぁ、そうなるよね。
正直思った。
荷物多いのは分かるけど。
だからって、人のスペース使っていい理由にはならない。
しかも、あの態度。
ああいう人って。
「何も言われなければOK」って思ってる。
でも。
一回ちゃんと指摘されると、一気に崩れる。
別に怒鳴ってない。
揉めてもない。
ただ、普通のこと言っただけ。
それだけで、全部変わった。
新幹線ってさ。
ちゃんとお金払って、場所取ってるわけでしょ。
だったら、その分のスペースはちゃんと使わせてほしい。
最後、降りる時にちらっと見たけど。
やっぱり一回もこっち見なかった。
まぁ、見れないよね。
正直。
そんな置き方する人、初めて見た。
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